2012年3月18日日曜日

アクリル塗料について(分類と考察)





一応の完成を見たので、UP。今回はスクラッチ的ないじりは無しと言うことで、塗装メインで望んだ甲斐あり、塗装面では一応の満足を得ることが出来た。
次回は、既出のフィギュアとこちらのセットでビネットを作る。
塗装は、ラッカー下地後、ほとんどがタミヤアクリルカラーを使用。
一番のシャドー、「ブラック」と、一番のハイライト、「ホワイト」のみ、アクリル塗料を使った。


最近、ファレホ(vallejo)を使ってみたくなり、「ミリテールフォーラム」の方々といろいろ議論したり、自分で試したり、いろんなアクリル塗料を使ってみたりして考察してみた。

うちのブログによく遊びに来る方(麦イチゴさん)やミリテールフォーラムでも、現状フィギュア用塗料として一番人気なのがファレホ(vallejo)である。

ファレホの魅力は、まず色数が豊富で、ある程度のセットを揃えれば、混色は不要なんじゃないか?と思えるほど色が多い。

もうひとつは、きめの細かさだ。
これは、自分自身まだ未体験なので、何とも言えない部分も有るのだが、多くの人の作品の仕上がりを見る限り、タミヤに比べ、仕上がりがなめらかになってみえる。
「きめの細かさ」というのは、ビンに筆を突っ込んでペタペタ塗るレベルだと、細かい荒いは、あまり気にならないんじゃないかとおもうが、私の場合、フィギュアに塗る際に、非常に薄くしたものを塗装する。「やっと色が付いている」位の場合もある。そうなるときめが粗い塗料の場合、塗料の「粒子」が現れてしまい、大変気になるのだ。

また、粒子が粗いと結果的に塗料自体も「モッタリ」とした感じになり、「筆運び」や、「塗料ののび」に影響してくる。「筆運び」なんて書くと分かりにくいかも知れないが、目に小さな点を打ったり、細い線を引いたりする際にスムーズか、思い通りにならいか?っていう話だ。最近「塗料の種類によって結構違うな~。」と感じている。

ファレホは日本代理店がある。ネットショップサイトもあるこちらだ。

ボークスネットショップ(ファレホカラー)のページ



自分に対する覚え書きの意味も含めて、以下にアクリル塗料の分類をまとめておきたいと思う。


そもそもアクリル絵の具が生まれたのは、壁画などを書く際、つまり屋外の日光や、雨にさらされても丈夫な絵の具は無いか?っていうところらしい。

初めに生まれたのは、「溶剤型アクリル絵具」らしい。
私たちが使う塗料としては「タミヤアクリル」や「クレオス水性ホビーカラー」がこれに属すると思われるが、厳密には違うものかも知れない。当時の塗料が乾燥前なら水溶するという特性を持っていたか不明だからだ。

ラッカーやエナメル塗料を使ってきた人にとってはなじみのある方法で、溶剤を使って伸ばすことが出来る。初めから液状になっているのでそのまま塗ることも出来るので使いやすいと言う利点がある。

しかし、有機溶剤は危険物質のため、薄めたり塗ったりする際には、人や周りに影響を与える可能性があり、匂いもあるため、もっと手軽に使える絵の具は無いか?ということで、新しい塗料が開発された。

それが、「水溶型アクリル絵具」である。
これが登場した大きな進歩は、水でのばすことが出来るが、一度水が揮発すると水では溶けなくなるアクリル樹脂の発明となる。

この樹脂に、顔料を混ぜ込んだものが、アクリル絵具(アクリリック)だ。
有名なところでは「リキテックス」や、ホルベイン工業の「アクリラ」などがある。


こちらはアクリル絵具の元祖リキテックスこちらは日本製アクリル絵具ホルベインのアクリラ

アクリル絵具は水溶樹脂と顔料という非常に単純な構造を持っている。
そのためにいくつか特徴的な特質があり、それが、魅力であり、欠点にもなっている。

特徴

  1. シンプルな構造のため顔料本来の特徴がでる。つまり発色がよい。
  2. 水彩絵の具に近いので、希釈度合いにもよるが大変塗りやすく伸びも良い。
  3. 透過性を出す。出さない。という成分も入っていない。そのため絵具の透明性は顔料の特質に依存する。つまり色によって透明性はまちまち。
  4. 光による劣化も顔料の特質によりまちまち。
  5. つや出し、つや消しという成分も入っていない。そのため仕上がりの艶も顔料の特質に依存する。つまり色によって艶もまちまち。
    基本的にアクリル樹脂の特性のみが出るので、半ツヤになる。
  6. 乾燥の早さ、作業誠意の良さは他のアクリル塗料に準じる。
模型用塗料として考えた場合の大きな欠点がいくつか上がった。

個人的には「半ツヤに仕上がる」というのが今ひとつ。
ちなみに、仕上がりツヤの調整は他のアクリル塗料同様、各種メディウムを加えて調整する事になる。「つや消しに仕上げたければマットメディウムを加える。」「ツヤを出したければグロスメディウムを加える。」といった感じ。

「これはいい!!」と思って調べたのがちょっと残念。
私がブラックを使った感じでは、比較的マットに仕上がった。が透明度という面ではガッシュとさほど変わらなかったのかも知れない。ただ、粒子が細かい分、綺麗に仕上がる印象だった。

ちなみに、最近ではネイルアート関連でもよく使われるようで、意外なショップから入手できたりする。また、そういう状況に合わせてパールタイプの絵具も登場している。

さて、この「顔料の特質に左右される。」という特徴を嫌い、ポスターカラーのように、どの色もマットに仕上がり、下地隠蔽力を与えた絵具が「アクリル・ガッシュ(アクリリック・ガッシュ)」ということになる。


こちらはターナーのアクリル・ガッシュ


そのためアクリル・ガッシュは、水彩のような透明感が無く、ポスターカラーのように重ね塗りしても、比較的隠蔽力が高い。
この特質は同時に、マットに仕上がる。という特徴も与えている。
「マットに仕上がる。」というのはどういう事かというと、「表面がザラザラに仕上がり、光を反射しない。」という意味だ。

これは、筆に付けたときの印象でも感じられ、極めて薄くすると、粒子を感じる。
多くの人が、アクリル・ガッシュに対して「良い塗料だけどややきめが粗い」という感想を持つのはこのためだろう。

結局のところ、完全にマットに仕上げるのが前提となると、水彩絵の具のようななめらかさは期待できないのかも知れない。

ホルベイン「アクリラの色見本」このように薄く塗った際の半透明感を表現している。
ホルベイン「アクリラ・ガッシュの色見本」不透明で隠蔽力があるので単色表現。

さて、アクリル絵具について色々と検証してきたが、「じゃあ、ファレホ(vallejo)はどこに属するか?」ということになる。

ファレホの塗料は、「溶剤が含まれていない」こと、「下地隠蔽力がある」ことが謳われているので、どちらかというと「アクリル・ガッシュ」に近いのではないか?というのが私の考え。

しかし、ファレホを使っている人の多くも「ファレホカラーに比べ、アクリルガッシュはきめが粗い。」と発言している。
絵具/塗料は、単純にその呼び名だけではないメーカーやカラーの特質を色々と持っているようだ。
例えば「アクリル・ガッシュ」を使ってみて気に入らなかったと言って、「アクリルガッシュはダメだ。」と判断してしまうのは、ちょっと早計なのかも知れない。

塗料は色をある程度の量、揃えるものなので、あまり早計で判断してしまうと、失敗する危険性もあり、大変難しいものだが、やはり自分で使ってみて、「自分の塗装とのマッチ」なども考えて決めてみたいものである。
無料のテスターなんかあったら嬉しいなー。

さて、本の数日前まで、「ファレホ」その後は「水彩アクリル」の購入を考えていたのだが、いろいろな考察の結果、今一番傾いているのは「ファレホ」かな?でも透明性の高い絵具も捨てがたいなー。まだ、迷っている感じだ。(T_T)

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4 件のコメント:

  1. お久しぶりです!!
    迷彩服を見る限りドイツ兵で合ってますか?
    迷彩がとてもリアルです!!
    一体貰えませんか?(嘘ですww

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    1. 1025Humveeさんコメントありがとうございます。
      その通りWW2ドイツ兵ですよ(^_^)
      私が出戻る以前は、当然のようにWW2が全盛でした。現代兵器(M1A1など)が登場したのは、私が模型作りを止めたのとほぼ同時期立ったような気がします(大型戦車は高くて買えませんでしたが)。
      何となく、昔を思い出して旧ドイツ軍を作ってみたくなり作りましたが、変な話、出戻り後の私は、基本、現代兵だと思っています。
      次は、濃厚な「現代米兵」を作ってみたいと思ってます(ま、それも気分次第かも)。期待してください。
      このフィギュアはビネットになる予定なので残念ながらあげられません。
      完成後にもう一度オファーを!考えます!!

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  2. 1025Humveeです
    やっぱりドイツ兵は格好いいです!!
    ナチス·ドイツと米軍が大好きなので
    FPSOPさんのブログを参考にミリタリープラモを作らせて貰っておりますw
    足元にも及びませんがww

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    1. そういってもらえると嬉しいですね。
      でも、「足元に及ぶかどうか」は、全然たいした問題じゃないんです。
      以前にも書きましたが、模型作りは遊びです。「いかに楽しんだか?」、「昨日より良い作品を作ろうと向かう」姿勢が大事なんです!!
      私の作品を見て、「すごいな!」って思ってくれるのはとても嬉しいですが、それを「自分の作品はダメ」と変換する必要はありません!!
      「遊び」の最大の魅力は、自分がやりたいときに、やりたい分だけ楽しめる点です。
      インターネットの世界はいろんな人がいますから「あなたの組立がどう」、「塗装がどう」って言いたい人が沢山いるでしょう。
      でも、私はこうやってパブリックに向かって、模型を作っている以上、それはそれで楽しむ度量で向かってます。
      正直、恥ずかしかったりしますが、公共での恥ずかしさと、私の楽しみは別でしょ!
      シンプルに「模型を作って楽しむ」それだけのことです。
      自サイトが無くっても完成したら私に写真を送ってください。みんなに見てもらったら興奮できるはず。UPしますぞ!

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