2012年1月25日水曜日

時間なし!

タイトルの通り、 ちょっぴり忙しい。
先週末は、 お仕事で、関西方面へ、 今週は会議だらけ、 来週は蔵王へ スキーを教えに行くことになっている。

そのため、 お見せできる進捗も乏しい。
模型ブログ仲間の皆様の新作や進捗を見ると、うらやましい、くやしい気分になる。

でも、まあ、自分を奮い立たせるためにも、ちいさな進歩の写真で更新するぞ。
初心者向け記事の関係で、進度のはっきりしなかった。「タミヤ スズキRGB500」。
現在は、塗装と組立が平行して行われる感じ。結構塗り進んだ部分も有る。
箱形状で、ほぼ組立後に塗装の出来るAFVに対し、エンジンをフレーム囲んだバイクモデルは、外側にパイプが配されていて組立後には明らかに塗りにくい部分が多く、塗装と組立を交互に行っていかないと、うまく仕上がらない。という、独自の難しさがある。


エンジン塗装後にフレームで囲みその後、フレームを塗装。
しかし、この後の組み立て作業が多く、フレームのグロスブラックの劣化が気になる。
塗り直しが必要かも知れない。クラッチワイヤーのステーをパテで自作。
プラグケーブルはやや失敗気味。


 ミッション部分(エンジン下)の指示色は「ガンメタル」、実車写真と比較すると「明るすぎるのでは?」と思い、「ガンメタル」+「オリーブドラブ」で暗さを出して実車に近づけた。
シリンダー部分(エンジン上)も、「フラットアルミ」に「バフ」を加えて、メタル感を抑え表面に白いサビが浮いている雰囲気を出して見た。共にそれなりにうまくいった感じ。
エンジンをフレームに組んだ時点で、セミグロスブラックをごく薄く水溶して、シャドー&汚れ感を書き込んだ。塗装技術がAFVっぽいので、雰囲気もAFVっぽい。


リアサス周りも、セミグロスブラックで、シャドーを書き込み細部を強調。
リアブレーキホース追加。「油圧ホースだから・・・」と付属ホースを使ったが、
もっと細いものを使うのが正解だったか?


古いプラモデルのため、裏がえぐられているエギゾーストパイプ。パテで修正。サイレンサーとの接続部は溶接痕を溶きパテで書いた。現在塗装開始。


このRGB500早いとこ完成させて友達にプレゼントしたい。
ついでに、ハンビーも完成させて、「どーだー」感じでUPしたい(現在ベース作成中)。

そしてなにより、新作に入りたいよー。欲深すぎるかな。

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2012年1月20日金曜日

ディテールアップについて考えてみた。

塗装の話題に行く前に、 ディテールアップの話を少し書いておこうと思う。

もし、 モデルにディテールアップするのであれば、 塗装前に終わらせておくのが自然だからだ。 (場合によっては、塗装と前後しながらやったほうが、良い場合もある。)

モデルを組む際に、パーティングラインを消したり、ピン痕を修正したり、接着後の接着線を消す作業を紹介してきた。

これらも、ある意味ディテールアップに属するかも知れないが、一般的にはこれらの作業を、ディテールアップとは言わない。

パーティングライン、ピン痕というのは、模型の製造都合上に出来てしまった「模型固有のもの」であり、無論、実物にははじめっから無い。

この作業は、どちらかというと「プラモデルらしさを無くす。」という作業に属する。

これに対してディテールアップはその名の通り、「詳細の表現を上げる」ことを目的としている。

どちらかというと、「より本物に近づける。」作業と言えようか。

しかし、作業的にはさほど違いはないので、何もこんな厳密に分類する必要はないのかも知れないなー。

本稿は初心者を対象としているので、「初心者に向かってディテールアップかよ!」って思う人もいるかも知れない。
でも、私は、ちょっとでもやってみた方が良いと思う。
全てはステップ バイ ステップなのだが、自分なりのオリジナリティをこういう局面で与えるのは楽しい。
もちろん、しないなら、しないでOK。

塗装の技術や、こういったディテールアップの作業というのは、おそらく「本当の初心者」も、「すごいエキスパート」も、作業感覚はあまり変わりがないのではないかと正直思う。
「こうやったら、どうだろう?」と、試行錯誤してみるのが重要だ。

自分の出来ることには限界があり、その限界の範疇で「自分がどこまで今回のモデルにつぎ込むか?」それだけのことだ。
「今まで塗装したことがない人が、塗装に向かう。」のもしかり、「戦車のフェンダーに付いた泥汚れをこれまでより、よりリアルに表現するには?・・・」と考えるのもまたしかり。である。
それぞれの、「前作よりちょっとでも良く作りたい。」という前向きな感覚が模型作りの面白さである。
「今回は無し」というのも、もちろん「アリ」だと思う。


大きく脱線してしまった。


ディテールアップ」というと、「テクニシャンの持つすごい技術」っていう難しそうな印象があるかも知れないが、決してそんなことはない。
やり方にルールはなく、資料写真と、手元のモデルの詳細を比較して、「こうしたらもっと実物に近づく」と感じる箇所を発見して、出来るか出来ないかを判断、実行していくだけだ。

プラモデルは、作成上の都合や、強度を確保するための都合上、細かい部分が省略されていたり、再現されていたとしても細かい部分ほど大きめに作られる傾向がある。

太く形成されているシャフトを細い金属のもの(プラでもOK)に交換したり、試行錯誤で無かったモールドを追加するのが、ディテールアップだ。
もっと簡単な方法としては、ヤスリをかけてシャフトを細くしたり、鉄板部を薄く表現するなんていう方法もある。強度面でやや問題が出るものの、これも立派なディテールアップだ。

ハンビーではドアー裏、窓ガラスの開閉機構が省略されていたので追加した。
最近では手っ取り早く、「エッチングパーツ」を購入して、置き換えるという手法もある。
プラで出来たパーツを、金属パーツに置き換えることで、スケールに見合った、薄さ、シャープさを出す昔からある技法だが、それらパーツをカット済みで提供しているのがエッチングパーツだ。
はっきり言って高額だが、エッジングパーツの機械カットによる精密さはちょっと人間業では難しいので、バッサリ切り替えるだけで、リアリティーを出せるエッチングパーツを選択するのも手だ。

ただ、ディテールアップの楽しみの一つである。新たな技法を生み出すという部分が無くなってしまい、想像力で、作り出すという面白さが無くなってしまう。
また、「エッチングパーツ」自体の組立はなかなか難しくで、慎重やらないと、高いお金を出して買ったパーツ自体のをへし折ったり、組立に失敗することもある。
欠点、リスクもあると思ってつきあった方が良いだろう。

初めのうちは、エッチングパーツの購入を考えるより、自分で出来ることを探す方が賢明だと思う。そうやって削ったりパテで盛ったり、真鍮盤/真鍮線を使ったりしているうちに、確実にスキルはアップしていく。
自分で作ったパーツの数々に満足できなくなって「よりリアルにしたい!!」っていう欲が生まれて来たときに選択するのがエッチングパーツではないか?という気がする。(高いしね!



今回作成中のRGB500では、あまり細かい仕事はしたくない。とアナウンスしていたが、そこはさすがに、、、なので、「溶接痕表現」と、「ワイヤー類の追加」だけはやろうと思う。
「溶接痕」「ワイヤー/ケーブル」の追加は、エンジンを露出したバイクモデルにおいて、手っ取り早く「機械感」「密集感」を表現できる、良い手法だ。

今回はエポパテで表現パテをひも状にして乗せ、押しつけていく。押しつけた風合いが溶接感を自然に出してくれる。
ちなみに、溶いたラッカーパテを使用する方法もあり別場所で試した。市販の溶きパテはややゆるすぎるので、
間を措いてからモールドを作るといい。
瞬間接着剤を使うの方法もあり。
一番、自分に合う、良い方法を探そう、その過程で新たな技術が生まれるかも知れない。
塗装後。モールドを作成した段階では、「ちょっと、やり過ぎたな。もっと薄くすれば良かった。」と反省していたが、
塗装して、統一感が出ると心配は消え去った。
やっぱりスケールモデルは、やや大げさな方がいい。

最後に、結論「ディテールアップには難しさもあるが、楽しいのでやってみよう。
ディテールアップは、「本物に近づける」と本文中書いたが、必ずしもそうでなくていいのかも知れない。ディテールアップという名目で、「製品オリジナルの仕上がり」から離れていこうするのが、ディテールアップの楽しみなのかも知れない。
組立の再「説明書通りじゃなくて良い」と書いたし、塗装でも「指示色に従う必要なし」と書くつもりだ。
自由に作り、製品とはちがうオリジナルの完成品を目指し、一品の個性を出すための方法がディテールアップなのかも知れない。

組みながら、サーフェイサーを吹きながら、塗装しながら、模型を眺め、自分の個性を表現してみてはどうだろうか?


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2012年1月18日水曜日

ACU、再、再、再考察

「ハンビーの方はどうなったんじゃい!」 と怒られそうなので、 ちょっとだけミリタリーねた。
っていうか、 「ハンビーのほうも地味ながら進んでますよ」 っていうアピール。
っていうか、 「塗装について初心者にどういう風に説明したらいいのか解らん。」 という感じの休憩も込めて、、、。 そんな記事である。

いや、 記事の中身は ちゃんとしてますよ。

ACU迷彩を塗装する
分からない人に説明すると、アフガン戦争から、現在に至るまで「米陸軍」で採用されている迷彩がACU迷彩で、おおよそ下の写真のイメージである。
現代車両、現代戦を主に扱っている、私のプラモデル/ジオラマ作成においては非常に重要な位置づけの迷彩と言える。
ちなみに「ACU」とは、「アーミー コンバット ユニフォーム」の略で、実は服の呼び名。迷彩の呼び名としては、「UCP」=「ユニバーサル カムフラージュ パターン」(広範囲な迷彩の意味で、地形によって使い分けたりせず、このパターンでいろいろな地形/環境に対応させるのが目的で採用された。)となるのが正解なのだが、一般的に「ACU」の名で通っているので、当方もこの呼び名を採用している。

で、私がフィギュアにこの迷彩を塗装するのは4体目になる。
実はこれまでの出来がどうも納得いかないため、今回は、大幅に、その手法を変えてみた。
説明する前にこれまでの失敗例を、並べてみよう(ちょっとやだ)。


 左から「単体作品」、「ハンビードライバー」、「ダン伍長」である。
私の印象では、最初の「単体」の出来映えが一番良い。
どうも、二体目、三体目、は自信が付いたためか、「ACUの細かさ」や、「本物ACUの色」という、細かい部分にのみ注目しすぎたためかえってリアリティーが失われている感じがする。

そして、今回のフィギュア。


 ちょっと写真がいまいちだが、こんな感じに仕上がっている(まだ塗り終えてはいない)。

本来は一つの作品の中で、同じ迷彩を塗りながら、手法や色味を変えていくというのは良いやり方ではないことは、私にもよく分かっているが、なにぶん今回初作品、初のACU塗装ということもあるので、どうか許して欲しい。
たぶん長い付き合いになる迷彩パターンだというのもあり、塗り手法を確立するためにいろんな方法を考えてきたのもある。

今回のACU塗装の話をする前に、ACU迷彩の難しさについて話しておきたい。
ACU迷彩は3色迷彩だが、非常に小さな四角形(ピクセル)を組み合わせた迷彩になっている。
「四角形」「小さい」というのがまず塗装に向かない。非常に細かい上に四角形は筆で書くのには適さない形だ。

しかし、何とかこの小さな四角形を表現できないか?と小さく小さく目を向けていくと、細かいだけのかすり模様のようになってしまう。

実はACU最小単位を見るとかなり細かい四角形だが、遠目に全体像を見ると「ウッドランド」、「タイガーストライプ」などとさほど変わらない大きめのブロックで構成されていることが解る。


まあ、迷彩塗装の基本と言えば基本なのだが、「迷彩を塗るときは細かい部分は気にしないで、「色の比率」、「大きなカラーブロックの形」に注目しろ!!」と、言うことになる。

今回は、まずこのブロックパターンに注目して、「縦線はほとんど無し、横線とそれを結ぶ斜め線」という法則を取り出し、細かい部分には気にしないで、塗っていった。
色の比率も重要で、一番明るい色が多すぎるとACUに見えなくなるので注意。
一番濃い色から順におおよそ、4.5:2:4位が良いのではないだろうか?

もう一つの注意点は「色」
上のパターン写真はかなり、実物の色に近くダークグレイはやや、グリーンを帯びており比較的暗い。私もACUのパンツを所有しているのだが、おおよそこれくらいのコントラストを持っている。
これまで私は、この所持パンツのパターンをサンプルにして塗ってきたのが、それが、大きな間違いだった。

本文一番上の兵士の写真をよく見て欲しい。
実際太陽の光の下に出たこの迷彩服はけっこうノッペリした印象で、さほど、強いコントラストを感じないのだ。
実はこれが、この迷彩パターンのコンセプトともなっている。ACUは一つのパターンでいろんな環境に対応することを前提として作っているため、「周りの色に合わせて溶け込む。」ことよりも、「視覚上多少の変化があったとしても、印象に残らない。つい見逃してしまう。」ことを目的としている。

そのため、実際の自然光下になると、非常にコントラストが失われる傾向にあるのだ。

今回は、この辺の反省を生かして、実物ACUを観察するのは完全に止めにして、兵士の写真をいろいろ見たり、場合によっては1/6アクションフィギュアの迷彩を参考にしたりした。

海外の著名なモデラーのACUも参考にしたが、人によっては、ほとんど白に近いグレーにしか見えない(そして、リアル)作品もあり大変ためになった。

ともかく「比率を重要視する」、「余りコントラストを上げない」ことにより、なかなか良いACU迷彩が出来上がった。
まだ完成でなく、満足できる出来映えともいかないが、おおよそ及第点をあげられるのではないだろうか?

失敗と考察を繰り返してきたが、これからACUを塗ろう!と言う人の役に立ってくれたらうれしい。
ハンビーのジオラマもゆっくりではあるが、進んでいるので、また進捗があったらお知らせしたい。


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2012年1月17日火曜日

サフ吹いて地固まる。、、、か?

模型を組み終え、 (前後しながらも)塗装に入るわけだが、 現代模型作りにおいて「サーフェイサー」を吹く、 または、 塗ったりして、 「下地を整える」のが、スタンダード。 常識となっているようだ。

たぶん、若いモデラーには単純に、「塗装をする前にはサーフィエサーを吹くものだ。」と、機械的に作業している人も多いのではないだろうか?
そういう人にとって興味深いコラムになってもらえると嬉しい。

実は、私が10代の頃(およそ30年前)には、「サーフェイサーで下地を作る」という概念は無かったように思う。いつも言うとおり、田舎者で知らないだけかも知れないが、当時のタミヤニュースや店頭でのお話しの中でも、「サフ吹いて、、、」みたいな話は、ついぞ聞いたことがない。

今回私が出戻って、いろんな調査上、「ふーん、今はサーフェイサーというものを吹くらしいな」という事を知ったが、今ひとつ「サーフェイサー」というものの概念が理解できず、正直、「なんで、そんなもん吹かなきゃいけないんだ!」というのが正直な気持ちだった。

うん、答えは簡単。「やってみりゃわかる!」というわけでいくつかサフェーサーを購入して、使ってみた。今回の対象となるのはこちらの品。
サフェーサーの基本概念を理解するためのものなので、比較的スタンダードなものを選んだつもりだが、私の記事を読んで、「いや、サフェーサーってそんなモンじゃない!」っていう意見もあるかも知れないが、感想も意見も、いつも通り私の主観であることを理解して欲しい。






さて、この4品の違いについて、書いても良いのだが、はっきり言って、「すごい違い!」を感じることが出来なかったので、もっと根本的な、一般に言われている、「サフェーサーを吹く理由」を今回の主題にしたいと思う。
一般な「サフェーサーを吹く理由」は、以下の三つである。

  • 塗料の定着を助ける。
  • 下地の傷、荒れを隠す。
  • 造形の確認。

まず、「塗料の定着を助ける。」ということだが、個人的には疑問?。そもそも、模型用塗料はプラスティックへの定着を前提に作られているものだろうし、アクリルガッシュなどの絵の具がプラモデル業界に浸透した理由は、ストリートアーティストたちが、「風雨にさらされても強い絵の具」として活用したのが始まりだろう。これらの塗料はもともとプラスティックへの食いつきが良いのだ。
まあ、「塗料の固着力を強化する能力」というのがあっても良いかと思おうが、「じゃあ、どの程度?1工程増やしてまで処理する必要があるのか?」という気もしないでもない。
使用した感覚としては、「サーフェイサー自体のプラへの食いつきはとても良い。」と感じるが、サーフェイサーを吹くことによって「「ラッカー」、「アクリル」、「エナメル」の各塗料の食いつきがすごく良くなった。」と感じることは出来なかった。
また、この点においてサーフェイサー個々の特徴は出やすい。
具体的には、表面が比較的綺麗に仕上がる「モデルカステン 丸サフ」は塗料の食いつきが今ひとつだったが、同時に(サフ自体の)塗膜が薄く仕上がる傾向にあり、自体の金属などへの食いつきは良い。といった感じ。
個人的には、塗料の定着力UP、言い換えれば、「塗装後に頻繁に触りながら作業する場所には、必ずサフ処理。」というイメージなのかも知れないが、はっきり言ってその能力には、やや、疑問を感じる。上記の感覚で作業しているつもりだが、やや疑心暗鬼。正直、「塗装の下地」がメインの目的であるなら、必ずしもサーフェイサーを吹く必要はないのではないか?と思う。


次は、「下地の傷、荒れを隠す。」という能力。
この能力は、GSIクレオスの商品において、(あるいは筆塗りにおいて)強く感じた。
クレオス商品においては、(上記写真左下)1200番、(上記写真右下)500番といった感じにサンドペーパー同様の番号表記があり、それに準じた能力を持っている。
特に500番のボトルには「溶きパテ」という記述も見られ、私も実際、ラッカーパテを溶いて、溶きパテを作るのは面倒なので、この500番サフのお世話になっている。

この商品のおかげで「サフェーサーのなんたるか?」が見えてきた。
サーフェイサーとは、そもそも、薄い「溶きパテ」を塗って下地を作る事なのでは無いだろうか?
パテなら薄められているとは言え、プラスチックを溶かすほどの能力があるので、プラへの食いつきは最高だろう。同時に比較的フラットなプラスティックの表面をパテ粒子の力で若干荒らして、「ザラザラ」を作り出すことが出来れば、結果的に「塗料」の食いつきは上昇する。「溶きパテ」=「サーフェイサー」という図式はあながち間違いではない気がする。
あとは、各社がサーフェイサーの機能に合わせた追加効果を添加しているのではあるまいか?

ともかく、クレオスのビン入りサーフェイサーシリーズは良い出来で、私も愛用している。
1200番はエアブラシで吹いて良し、「ヤスリの跡が消えていないなー」って言うときに、筆で(塗装の上からでもかまわないので、)ちょっと塗ってやると、小さい傷なら隠すことが出来る。
500番はエアブラシで使ったことはないが、形成の境目を修正したり、細かな造形を爪楊枝で書いたりする用途でも利用可能な優れものである。

しかし、この能力、問題も含んでいる。「番数がある以上それに準じた分だけ、模型の造形を丸めてしまう可能性がある。」ということだ。
これは、塗料も同じ事だが、塗膜が厚すぎるとモールドがどんどん丸められ、リアルさが失われていく(場合にもよるが)。サーフィエサー/塗料が厚くなればなるほど、モデルの持っているシャープさが失われていくことは、間違いない。そのため、多くのエキスパートモデラーは「薄く、かつ、効果的な」塗装法を目指しているはずだ。
実際、タミヤのスプレー式サーフェイサーを使用してみると解るのだが、表面張力により、「溝/へこみ」に当たる部分の色が強くなりやすい。

サーフェイサーによる傷隠しが目的の場合、事前にしっかりと、傷を隠してしまえば別にサーフェイサーのお世話になる必要性はないので、ここでもやはりサーフェイサーの絶対的な必要性は感じない。
バイクや車のボディーなど、「ツルツル/ピカピカ」に仕上げたい場合はサーフェイサーの表面張力が魅力になる場合はあると思われるが、最近のAFVモデルなどの緻密な表面処理などのモールドを曖昧にしてしまう可能性もあるということを理解して使用すべきだ。
いずれにしても、程度問題で、「適切な番数のサーフェイサーを適当な量使う。」のにつとめるのが良いと思う。

最後に、「造形の確認。」目的でのサーフェイサーである。
個人的には、「かなり効果的な手法である。」と感じている。プラモデルのランナーセットは、メーカーにもよるがオリジナルカラーに近い色で構成される場合が多い。
今回RGBも「フレーム」、「エンジン」周りが「ブラック」。「タンク」「カウル」「シートカウル」が「ホワイト」のプラスチックで構成されていた。

ちなみに、「ブラック」「ホワイト」共に、非常にモールドの詳細を確認しずらい色である。「モールドの確認」というと「なにそれ?」と思うかも知れないが、組立の際に説明した、「パーティングライン」や、「ピン痕」、「接着痕」など、本来消してしまいたい乱れが、目立ちにくいと言うこと。
実際、塗装を開始した段階で、これらを発見してしまい。「どうしよう?直すか?このまま見なかったことにするか?」と私自身悩むことが多い。

こういう問題を解決するために、(グレーの)サーフェイサーを吹いてコントラストを明確にしておくことで、塗装時のトラブルを未然に解決しておく。という使用目的である。

個人的には、非常に良い考え方で、私がサーフェイサーを使用する目的のほとんどはこれである。
当然のことだが、サーフェイサーで確認しただけで終わってしまっては意味がない。
確認後にしっかり手を入れるのが目的なので、サーフェイサー後にナイフやヤスリ、場合によってはパテを使って造形を修正する。


事前にある程度やっているつもりでも、サーフェイサーのグレーのおかげで際立ってくるケースは結構あり、私はここでかなりの手を入れるようにしている。
前にも書いたが、私は塗装好きなので、どうしても塗装に突入したくなってしまうが、サーフェイサーの段階で、しっかり確認し、「塗装にはいって良いのか?」と自分にブレーキをかける役目を果たしてくれるので大変役に立ってくれる。
極端なことを言うと、サーフェイサーでなく、グレーのラッカー塗料で、下地を作るのもアリかも知れない。私がサーフェイサーを使う理由は、そんなに「こうじゃなきゃいかん」というこだわりによるものではない。

場合によっては、複数回のサフ仕上げとなるので、一回当たりの処理は極力薄くなるように努めているつもりだ。また、確認できればいいので、「ムラ無く完全に、」吹いたりはしない。

結論としては、
「自分の目的をはっきりとセットして、目的に見合った使い方をするなら、サーフェイサーも役立つ。」といったところ。
以前ネット上で、「塗料がはげやすいのはサーフェイサー処理をしないから。」とか、「サーフェイサーで必ず下地処理をしよう。」
みたいな、記述を見かけたことがあるけれど、「それほどのモンじゃない。」というのが正直な意見。
サーフェイサーは必ず吹かなければならないものでもなく、面倒くさければ吹かなくてもそんなに変わらないと思うし、やり過ぎはかえって害になる場合もあると、認識しておこう。

最後に、トップで紹介した各種サーフェイサーの特徴を紹介したい。

モデルカステン 丸サフ

  • プライマー成分含有で、金属への食いつき良し。
  • 軍用車両の下地色に合わせた色により、塗装剥がれ時の表現にも使える。
  • 「パテ」感低く、傷埋め効果も低い。
  • ラッカー塗料感強く、プラへの食いつきは良し。
  • 塗料の食いつきはイマイチ。上に塗られる塗料のタイプを選ぶ必要有り。

タミヤ サーフェイサー ライトグレイ Lサイズ

  • 好みにより、グレー、白のカラーが選択できる。私のお薦めはグレー
  • パテ粒子は標準的。
  • ラッカー濃度の関係か、表面張力の影響受けやすい。
  • 下地カラーの隠蔽力低い。
  • プラへの食いつき、標準的。
  • 塗料の食いつき、標準的

GISクレオス Mrサーフェイサー 1200

  • 番数を選択できるのは、大変魅力的。
  • ビン入りは利用者の目的によるが、ラッカー濃度による番数調整も可能なので良し。
  • ビン入りのおかげで、筆塗りもかなり有効
  • 筆塗り/薄め無しの場合、下地カラーの隠蔽力高し。
  • プラへの食いつき良い。
  • 塗料の食いつき標準的。


オマケに、現在の作業紹介。
仕方なく、組立前に塗ったスズキRGB500のリアサスペンション部。
古いモデルのため、パーツ同士の合わせは、案の定、良くない。そのままにしておきたくなかったので、他作業で使ったエポキシパテの余りを詰め込んで修正。
カッターで削って修正後、微傷隠しのため、サーフェイサー1200番を筆塗りして、再塗装。
自分的には丁寧にやったつもりだったけど、仕上がりはやや荒いなー。


とまあ、ちまちまと、作業をしています。
次回、ついに塗装の話をして、ひとまず初心者向け集中連載を終了したいと思います。

でも、次回で終われるかなー。ちと不安。


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2012年1月16日月曜日

戦略、「組立と塗装」

前回、 あまりパッとしない接着の話を書いたわけだが、 「接着した後、塗装」 ということになる。
実は、「接着のテクニックは、「接着/組み立て」のテクニックの話ではなく、「組み立て/塗装」の戦略の問題が重要だ。」と書くべきであった。

「全部塗装し終わってから組み立てる。」という考え方と「全部組み立ててから塗装する。」という考え方があると仮定しよう。

全部、塗装してから組み立てる。
という手法は、悪くない考え方かも知れない。しかし、この手法の問題点は、
大変塗装しにくい。」
塗装後の接着は強度上やや問題有り。」という点。

ランナー上で塗装すると、パーティングラインの処理が大変難しく、ランナーからの切り離し後に切り離し箇所の修正が当然必要になる。
では、切り離してから塗装すると、どうしても手で持ったり、クリップした部分の塗装が出来ないので、作業を2度以上に分ける必要がある。効率が悪い。
また、塗装後のパーツを接着する際、接着面に塗装面を含んでしまうので、接着よりより剥がれやすい塗装面は強度に影響を与える。
丁寧にやろうと塗装面をカッターなどで剥がしたとしても、今度は「接着のはみ出し」などを後で塗装し直す作業が生まれるだろう。
また、接着による「ズレ」の修復を入れると事実上最初の塗装は完全に無駄になる。
とにかく、作業の効率が悪すぎるのだ。

もう一つは、接着作業のために、塗装した場所を、ペタペタ触り続けないといけないということ。模型用塗料はそれほどの強さを持っている物ではない。
薄く塗れば作業中に塗装が剥げるし、厚く塗れば指紋押し痕の原因となる。
こういったトラブルを修正するには、当然「塗り直し」となるので、さらに作業効率は落ちることになる。
全部塗ってから組み立てる」という考え方には無理があるのかも知れない。

全部組み立てから塗る。
という手法もある。この手法にも問題はある。
事実上、筆が入りにくい複雑な箇所には塗装できない。」こと。

ミリタリーフィギュア程度なら、脇の下から、手にした銃器の内側は常に塗りにくい対象だが、完成後の鑑賞者の視点もある程度、限られてくるので、「塗れない部分は、見えない部分」と、ある程度割り切ることが出来るが、私が今回作っている、バイクのモデルとなるとそうも行かない。
バイクのフレームにエンジンを完全に組んでから塗るのが理想的だと思っていたが、そんなことをしたら、間違いなくフレームの裏側や、筆の入らないエンジンの一部は塗ることが出来ない。
そして、またこういう部分が目立つのだ


では、どうするのか?
結論は両者の中間を取っていくしかない、「組み立てては塗り」、「塗っては組み立て」を繰り返すのだ。
しかし、実際のところ、この判断はかなり難しい

私の考えとしては、出来るだけ「組み立てから塗りたい」。
塗ってから組み立てると、どうしても組み立て部位の修正が入るので、

  1. 塗る
  2. 組み立て
  3. パテ盛り、削りなどの修正
  4. 再塗装

という感じでどうしても手数が多くなる。
組み立てを先に出来れば

  1. 組み立て
  2. パテ盛り、削りなどの修正
  3. 塗装

で済むのだ。上の行程の、塗装で「混色」などを含んでいれば、その回数も増え、色の一致などの難しい問題も増える。

組み立ての段階で考えないといけないことは、「出来るだけ修正の無いように組み立てたい。」というのはもちろん重要だが、「どこまで組み立て、どこまで塗るのか?」という戦略がかなり重要になる。

組み立ての関係で、仕方なく単パーツで塗られたパーツ群。
原因はスプロケット、チェーンパーツを通してから組まないといけないという、
設計上の問題。
改めて考えると、この構造を無視して、
チェーンを切って後から通すという手もあったな。
塗装と組み立て作業の戦略は、作る人によって大きく違うかもしれない。
参考までに、私の手法は、前述の通り「出来るだけ組み立ててから塗りたい」という考え方だ。同時に「見えないところは、塗る必要なし。」とも思っているが、この「見えない」の判断は非常に難しく、後で、「ここが塗れないはずがないー」なんて思うケースもある。そうなると安全なルートを見つけようと、「先塗り部位」が増えることになる。
結果的には、「組んで」「塗り」、「また組んで」「塗り」。を繰り返す事になるが、計画性がないまま雰囲気で塗り進めると、塗り始めてから長時間の組立になったりして、自分の指で塗装を壊す羽目にもなる。
塗り好きな自分はすぐに塗りたい気分になるが、「ちょっとまて!この状態で塗り進んで、次の工程は大丈夫か?」と自分に問いただすように注意している。

フィギュアは基本的に全て組み立ててから塗る方針だが、件の「カルビン・タン」氏は散々細かい迷彩塗装をした後に両腕を接着し、接着部位をパテ修正。塗り直していた。プロ根性はなかなかのものである。

今回は、サーフェイサーの話をするつもりだったのだが、そこまでたどり着かなかった!
初心者向け集中連載、次回は、塗装とサーフェイサー処理の話。

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2012年1月15日日曜日

接着、接着剤の話

前回の続き。
「切り離したパーツを接着する。」という話になるわけだが、ここでは、あまりためになる話は出来ない。理由はかんたん、「特にいいノウハウは無い。」からだ。

接着は、接着剤を付けて接着すればそれでOKだと思う。私はそれほど「パーツを接着する」のが得意な方ではないのかも知れない。
全面塗装することを前提にしてしまえば、多少はみ出しても、「アラは後でいくらでも修正できる。」ということが私の考えだ。
もちろん、はみ出さないに越したことはないが、初心者の方も、「あーはみ出しちゃったー」とあまり悲観しなくても良いのでは?というのが主なアドバイスだ。

私の接着の際の技術は少ないが、あえて紹介するなら

  • 接着する前に必ず仮組みをしよう!
パタパタと焦って作ると忘れる事もたまにあるが、やっぱり仮組みはした方が良いと思う。仮組みというのは「接着前に接着部を合わせてみる」ことである。
たったそれでだけのことだが、部品の「合い」の具合を確認できるし、「合い」が悪い場合は事前にヤスリなどで修正加工することもできる。
パーツ同士の「遊び」がどの程度有るのかを確認しておくことで、どういう合わせ方をすれば接着箇所の修正が最小で済むのか確認することも出来る。

  • 接着剤を凹み側に付けるとちょっと便利かも?

前の話ともつながるが、貼り合わせるパーツには大抵の場合、大きくずれたり、間違った組み方をしないように突起と凹みが設けられている。(無いパーツ、無いプラモデルもある)
接着剤は液体を刷毛で塗ったり、点を書くように押しつけるが、出っ張りのある面より、より平らな面の方が塗りやすい。ただそれだけのことである。

たったこれだけで、アドバイスが終わってしまうのはあまりにも悲しいので、接着剤の話をしようと思う。

私が現在使っている接着剤は2種類。

一つは、タミヤセメントに代表される、「模型用接着剤」。


これは、強い有機溶剤でプラスティックを溶かしてしまう物。接着剤が付いた面が溶けるので溶けた面同士を貼り合わせることで接着できる。
プラスティックが溶けて、有機溶剤の揮発と共に固まるので、うまくやるとかなりガッチリと接着できる。
ただし、はみ出した部分のプラも溶けるので、モールドが壊れる心配もある。

接着される両面に付けると両面しっかり溶け、さらに2度塗りによってガッチリ接着されると言われているが、私はあまりやらない。片側でも充分に接着できるし、はみ出しが大きくなってモールドを壊してしまうのが嫌だからだ。面倒だしね。
タミヤセメントの刷毛先はハサミやナイフでカットして使うと便利
ちなみに、最近ではこのタイプの接着剤にも、主成分「リモネン(柑橘抽出物)」で嫌な匂いの無いもの。「流し込みタイプ」など、機能性を追加したタイプの違うものもでているようだが、利用経験無し。




もう一つは、私がプラモデルを始めた頃は存在すらしなかった「瞬間接着剤」。
説明は不要かも知れないが、「瞬間的に凝固する樹脂」を乗せて貼り合わせると、本当に瞬間的にガッチリと接着される。
「接着剤自体が固まる」という特徴のため「はみ出した部分が盛り上がったまま固まる」という特徴がある。盛り上がった部分も比較的早く固まるので、私は接着時に「ティッシュをもってはみ出した部分をすぐ吸わせる」という方法で対応している。
盛り上がるという特性を逆利用して溶接痕の再現などに利用する人も多いようだ。

実は、「瞬間接着剤」と一口に言っても、本当に沢山の種類がありかなりその特性は違うので紹介しようと思う。(使用経験の無いものも有るので注意)

  • (強力)耐衝撃型

(使用経験なし)瞬間接着剤は、かなりの引っ張り強度をもっているが、実は衝撃にはあまり強くない。その辺を改善したものが、「強力タイプ」「耐衝撃タイプ」と紹介されている商品。
プラモデル、模型でも使っている人がかなり多い様だ。
私はスケールモデルの場合ここまで必要ないのでは?と思い採用していなが、ガンダムのように作成後にポーズを変える必要のある物。子供が遊ぶことを前提にしている場合などには向くかもしれない。
  • ジェル型

(使用経験なし)普通、瞬間接着剤は、水のように流動性が高い。当然、壁面のような部分に塗ると「垂れる」わけだが、そういう部分に使用する目的で開発された物のようだ。
もちろん普通に模型に使う人も多く、水のように広がっていかないので、モールドを作成するちょっとした、パテ代わりに使う人もいるようだ。
上記の「強力タイプ」と機能がセットになっている場合も多い。「強力=樹脂の量-多=粘度増加」なのかもしれない。
  • 低白色型

(使用経験あり)瞬間接着剤の特徴/欠点の一つに「白化」がある。あまり詳しくないのだが、瞬間接着剤が瞬間的に固まる理由は、「空気中で、ものすごい勢いで揮発する何か?」のおかげのようだ、しかし揮発する際に揮発物質が再付着するようで、周辺が火で焼かれたように「白化」する場合がある(白化は上に塗装することで隠すことが出来ます。)。
模型の小さいパーツを塗装後に、ちょっと接着したり、破損を修復されることに使われる事が多いためこの白化は非常にやっかいで、これがある程度軽減された物が低白化型
使用してみると、確かにほとんど白化せず、揮発性が抑えられているためか、匂いも低めで、固まる速度もやや遅めに感じる。
「瞬間」特性が減退しているのは残念だが、「白化」が嫌なので愛用している。
ちなみに、今回紹介した写真の商品はキャップ式なのでこの辺も大変便利。


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2012年1月10日火曜日

タミヤ スズキ RGB500

前回の記事で 「あれ?何作ってんだよ。」 と思った人も多いと思うので、 その辺の説明を。

実は昨年の年末、 小学校以来の友人と会って 話をした。 彼とは長い付き合いで、 高校時代はバイク友達でもあった。
そんな彼が、「久しぶりに当時のレーシング記事集めをして楽しんでいる」 という話だったのだ。 (彼は、 主に機械系が好きである。 ) 
「男も40代になって子供が落ち着き始めると、昔楽しんだ いろんな事に手を出し始めるのだなー。」と私の プラモデルの話と セットになって盛り上がった。 

そこで、そんな彼に、バイクのプラモデルを作ってあげて、プレゼントしたら喜んでもらえるのではないか?というが今回の企画である。
バイクのプラモデルなら、戦車よりポピュラーだし、初心者向けの記事とセットにして新しいキットを組んでみるのもいいかなー?と思い、年明けに山形のお店で購入した。(こちらのお店については、また今度。)

購入作成したのはこちらのキット「タミヤ スズキRGB500 TEAM GALLINA」である1980年マルコ・ルッキネリが乗車したレーサーという設定である。

このキットは2006年6月にスポット販売されたもののようだが、オリジナルは1982年、私が中学生の頃に発売されたキットで、かなり古いものだ。

当時は私も高校に入るとすぐにバイクにはまって、レーシング誌を購入したりしたものだ。あー、あれらの本が今でもあれば最高の資料だったなー。
当時はバイクも相当のブームで、レーシングレプリカのバイクが人気を集めた時代だった。

私の記憶では、タミヤもそれまで、バイクモデルには手を出していなかった様な気がする。ヤマハの黄色いYZRと、スズキの赤黒のRGBがタミヤのバイクモデルの出発点では無かっただろうか?

そんなわけで、このキットももしかしたら過去に作ったことあるかも?


購入したキットには、説明書が2枚入っていた。日本語版と英語版である。


説明書のカラー指示は、カラー名で表示されていてわかりやすい。エナメルカラーが、指示されており、アクリルカラー登場前のようだ。
ちなみに、「セミグロスブラック」は、ブラックとフラットブラックを1:1で混色するように指示されている。
前に、元城模型の店主の方とお話ししたときも、「昔はセミグロスブラックは無かった」という話をしたっけなー。

キャブレター。右のフロート室下が全く合っていない。
たまたま合わなかっただけではなく、設計ミスのように見える。

ちなみに、このキット、今のキットに比較するとかなり出来が悪い。
一番の欠点は金型の合わせが大変悪く、パーティングラインがかなり大きく出る。それだけでなく、久しぶりに、バリも目撃できた。一部の細かいモールドはあまりにもずれすぎており、パーティングライン処理だけでは済まなく位だ。

また、細かいモールド関係も甘く、「ボルトヘッドが○」、「溶接痕のモールド無し」、「フレームを合わせると歪み発生」など、今のモデルと比べると「あんまりだ~」という印象である。

別にこのキットの悪口を書きたいわけではない。80年代当時のプラモデルはこれで普通だったし(いや、タミヤはバリが少ない、合わせの良いことでは定評があった。)、私にとっては「そういや、昔はこんなんだったなー」と、懐かしい感じのするキットである。

こういう懐かしいキットに接すると、「懐かしい」だけでなく、「プラモデルはこれで良いんだよー」という気にもなる。逆に、エッチングパーツに超精密なキットを見たとき「ここまでやる必要ないだろ~。これじゃ手を入れるところが無いじゃないか~。」と思ってしまうのは、たぶん私がオヤジの領域に入ったからだろう。


ちなみにこのキットを作りながら、ざっと「初心者向け記事」を書こうと思うが、このキット作成自体も、あまり細かく手は入れないつもりだ。あくまでもキットの形を重視して、ほんのちょっとディテールアップを行って完成させ、友人プレゼントしたいと思う。

言っておくが人にあげるから手を抜くわけじゃないぞ!初心者向けに、「そんなに手を入れなくても、これっくらいのものは出来るよ!」とお見せするためである。(ものは言い様である。)

ハンビーも忘れたわけではない。平行で行きたいのでよろしくね!



ちなみに、完成品も販売されているようで、上記のものが入手可能。しかし、ご覧のような価格なので、自分で作るのが吉!!。現在、キットの入手は現在難しいようだが、大型店の店頭なら結構かんたんに見つかるかも。当ブログの記事を元にバイクキットを作るのも楽しいんじゃないかと思いますよ!
初心者向けの記事中心なので、「解らない」という点があったら気軽にレスポンス、メッセージ頂けたら、こちらも気軽にお応えしますよ!!


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2012年1月9日月曜日

プラモ初心者向け講座 ランナー、ゲート、パーツ

プラモデルを作る際、 最初の作業になるのは、 「パーツを切り離す」って言うことになるわけだが、 まずは プラモデルのキットの簡単な説明を。
プラモデルの中身は、 プラモデル作成に必要な「パーツ」。 その周りにありパーツを固定しておくための「ランナー」。 ランナー とパーツの間にある細い部分「ゲート」 、で構成されている。


まず「ランナー」だが、ランナーなぜあるのか?っていうことになるが、「パーツの番号が解らなくならないように」「無いと探すのが大変だから」ってあたりが主な理由だが、それ以外にも大きな役割がある。
一つは、製造上の問題だがこのランナーが製造時にプラスティックの流れる「湯口」の役目を果たしていると言うこと。ランナーのおかげで一気に大量のパーツが作れるので量産が出来る。
また、下の写真のようにわざとパーツの形と同じように突き出させる事によって、「パーツを守る」という役割を果たす。こういった配慮がないと、輸送中に他のランナーセットとこすれて傷が付いたり、最悪折れてしまったりするからね。


考えようによっては、別になくてもいいランナーだが、パーツを守るガードとしての役割を持たせることにより本来以上の意味が持たせられているわけだ。

ランナーとパーツの間には「普通」ゲートがある。「普通」と書いたのはいわゆる「ガンプラ」など比較的若年層向けに作られたプラモデルには、このゲートの部分が極めて小さくつくられている物がある。パーツとランナーの接点を極めて小さく作る事により、ニッパー不要、手でランナーから離せる様に作られている。
子供がこういうタイプのプラモデルを作っているのをいくつか見たが、確かにニッパーは不要だ。しかし、輸送中に離れてしまうパーツが出てきたり、より美しく切り離そうとニッパーを使いたい場合は、ランナーとパーツの間にニッパーの刃を入れにくく、綺麗に切り離しにくいという欠点もある。

普通のプラモデルの場合、このゲート部分をニッパーで切り離すことになる。

しかし、相手はプラスティックでニッパーも完全にスッパリ切ることの出来る道具ではないので、どうしてもパーツにはゲートの破片が残ってしまうので、綺麗に仕上げようと思ったら、切り離した後このゲート部分を処理する必要が出てくる。

ニッパーが入れにくかったら、先にランナー部分を切ってしまうのも一つの方法。
周りのランナーが邪魔にならず、綺麗に切り離せる。


「模型作り」を「作る」、「塗る」に分けるなら、私が、「作る」部分で最も時間を費やすのがこの「切り離し後の処理」。
ゲート部分の整形」、「形成線(パーティングラインとも)処理」、「ピン痕処理」そして、接着後に出来る「形成線の処理」だ。

これが「形成線」
パーティングライン」は、プラモデルを作る際に使われる金型は、主に上下分割のため横に金型の合わせ目としてどうしても出来てしまう線のこと。
金型の出来や、製造時の揺らぎによって大きくなったり小さくなったりし、最悪の場合、大きなはみ出しとなって「バリ」と呼ばれる。
「製造時に出来た物」と考えると愛着も湧くが、リアリティーは損なわれるので、削ってしまおう。
私の達の身の回りの工業製品の多くにも、「形成時の線」「部品の合わせ目」として、線は生まれる物なので、必ずしも全部が全部削る必要がない場合もあるようだ。
例えば旧ドイツ軍のサブマシンガンMP40のボディーは左右貼り合わせで、銃の本体下部には形成線が生まれる。だから「プラモデルのパーティングラインを完全になくす必要はない。」という考え方もあるようだ。
「目立つ部分だけ削る」というのも、手間を省く良い方法だが、塗装時に気がついてしまうとどうしても削りたくなるので、丁寧にやった方が吉。

インジェクションピン痕
これも、大変邪魔だが「プラモデルキット」の場合どうしても出来てしまう「インジェクションピン痕(以下、ピン痕)」。
プラモデルは型にプラを流し固まった後、型を上下に分割し、取り出す。型にくっついた、プラモデルを手で剥がすと、時間がかかるし、曲がって引っこ抜いたりするとパーツを傷めることになるので、取り出す際には、下から大量のピンで「ガシャッ」とムラ無く押し上げる。その際のピンが入る位置としてあらかじめ設定されているのがこのピン痕だ。
大小様々なサイズがあり、形は「」。目立つ箇所にあると非常に邪魔くさい存在だ。
こいつがやっかいなのは、箇所によってこの丸がパーツ本来の形より、「出っ張っている場合」と「凹んでいる場合」が、あること。凹んでいる場合、もちろんいったんパテで埋めてから整形しなければならない。やっかいだ。
プラモデルを見る人は、「模型だから」という目で見るからか?こういう部分を割り引いて見てくれるケースが多いが、「ワンランク上」を目指すならこういう部分にこだわってみてはどうだろうか?



さて、これらを処理するための道具だが、「デザインナイフ」「ヤスリ」が、基本になるだろう。
もちろん、普通のカッターナイフなで代用することも可能だが、デザインナイフは本当に便利なので一つあって損しないはずだ。

上から「ホビールーター」、「ニッパー」、「デザインナイフ」
私の愛用デザインナイフは、もう20年級の年期だが非常に役に立つ。替え刃も昔からすればずいぶん安くなったので気軽に変えられる。
刃を立ててシャカシャカとパーティングライン削りに使うのはもちろん、ゲート処理や、ディテールアップにパーツを彫り込むにも使えるし、「そろそろこの刃も終わりかな?」と思ったらパテ盛りにも使っちゃう活躍ぶりである。

これらの道具で綺麗に仕上げるコツは、「一気にやろうとしない」事だ。ナイフもヤスリも、あるいはドリルなども、一発で仕上げようとすると、必要以上に削ってしまったり、力が入りすぎてパーツ自体を壊してしまうことが多い。
1mm削りたい場合、「仮に1回で1mm削れる」と思っても、5~6回かけて確認しながら作業を進めた方が、確実で仕上がりも綺麗になる。

プラモデルは昔から比べると、ずいぶん高くなったが、この手の作成用ツールは非常に安くなった気がする。比較的安価に手に入るので一通り揃えてもそれほどの額にはならなくなった。

お勧めの道具は、「小型のダイヤモンドファイル」と「ホビールーター」。
普通のヤスリは、「刃」に当たる「目立て」がされているので使用する場合、必ず「向き」がある(普通は「押して」使う)。しかし、ダイヤモンドファイルは微少な人工ダイヤが接着されているだけなのでサンドペーパーのように向きを気にする必要がないのが便利だ。
「ルーター」は出戻って初めて使ったが(昔は高くて買えなかった!)、細かい部分の処理には大変便利。先端の形状を目的に合わせて変えられるのでありがたい。造形を作るときも使えるし「パーティングライン」や「ピン痕」の処理にも使えるので大活躍してくれるだろう。
ちなみに、私が使っている上の写真のルーターは、近所のホームセンターで手に入れた単4電池2本駆動、1500円程度の安物だが、軽く、気軽に使え、(プラ処理程度なら)パワー的にも全く問題無く、非常に便利だ。


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