2011年9月23日金曜日

レビュー タミヤ 1/35 アメリカ現用陸軍歩兵セット

他ブログで書いた記事の移動記事です。




連発で行く。

2回目のミリタリーフィギュア解説は「タミヤ 」

製品は「タミヤ 1/35 アメリカ現用陸軍歩兵セット」。



全4体セットで一体価格は150円程度と前回紹介の「トランペッター PMC」の1体370円程度と比較すると半額以下でかなり買い得に感じるかも知れないがセット内容は全く違い、トランペッターが6セット構成だったのに対し、こちらは2セット構成。
ランナーの全面積を比較しても半分程度で「価格/セットボリューム比」的には同程度に感じる。

タミヤ 現用歩兵 箱絵
タミヤ 現用歩兵 箱絵裏 アメリカ現用歩兵 全セット
筆者撮影の箱絵 裏箱絵 キット全内容


セット内容は、

それぞれのフィギュアの手足胴体で1セット。
ヘルメット、ポーチ、銃器などの装備品で1セット。

の2セット構成となっている。

タミヤ 歩兵詳細 タミヤ 銃器詳細
フィギュアモールド 銃器のモールド


モールドはなかなかの出来と言える。特に銃器は前回のトランペッターと同様素晴らしい。セーフティーレバーの出来などは、トランペッターを上回るシャープさ。しかし、銃口部などの細かいところを見ると、トランペッターの方が手が込んでいる。
ちなみに、前回紹介したトランペッター製のM4は「auto」位置。今回紹介のタミヤ製のM16は「semi」位置にあることが分かる。

このキットのフィギュアには、いくつかの特徴的な部分がある。
まず、頭部、手足など末端部分、肌の露出部分が比較的大きく作られているように感じる点。
顔の造形は今ひとつ。顔自体が大きく、またヘルメットに向かって広がっていくちょっと変な形状になっている。その昔作ったドイツ兵や、米兵はもっと、「ドイツ人」「アメリカ人」に見える造形だった気がするのだが、今回のこのセットは、雰囲気が悪く、また、個々の個性が薄い。言い換えれば、出来が今ひとつなだけでなく、どれも同じに見える。
ある意味、顔塗装の腕の見せ所かも知れない。

手も体全体から見るとやや大きく感じ、目立つ。銃器をセットすると更に手が際立ってくる。ちょっと違和感有り。
腕、頭部の大きさの割に、下半身が、他キットと同程度のバランスのため、結果的に細めでやや華奢に感じる。バランスに難あり感はいなめない。
(この辺の比較は、今度フィギュアパーツを並べてやってみたい。)

ただしこの傾向は、このキットの特徴であり、タミヤ全体に言えることではなさそうだ。
このキットが発売されたのは1985年8月と結構古い。
2003年4月に発売されているハンビーのセットになっているドライバー、ガンナーのモデルは顔も小さく表情にもアメリカ人らしさ、リアリティがある。ヘルメットの大きさも、この製品にセットされているものより小さい。
上記の欠点はこの年代、またはこのキットの特徴と言うべきなのかも知れない。

頭部は、トランペッター製と違い、体との一体形成。
ヘルメットは別形成となっているので、前回紹介したトランペッターのベースボールキャップのようなものを合わせることが可能だが、頭が大きいので「サイズが合わずに頭部を加工しなければならない」なんてことも考えられる。
タミヤは以前から顔、胴体一体形成が多いが、トランペッターなどの後発メーカーは頭部が胴体と別パーツになっているケースが多い。これは、最近の傾向として、単体で発売されているガレージキットの頭部を付け替えやすいようにの配慮ではないかと思われる(ハンビー同梱フィギュアは頭部、ヘルメット共に別形成)。

別売りヘッドとしてはこんな感じ

頭部はホーネット製ヘッドセット。画像はアマゾン商品


個人的に、一番不満を感じるのは、このモデルは「アメリカ現用歩兵」を謳っている割に装備が古すぎる点。
これは、私の要望に合わないだけで、製品の欠点とはならないが、「ハンビーでCOD:MW2のシーンを再現したい」と思っている私の要望には全く合わなかった
せめてM-4がセットになっていたらなー。残念感が強い。

ウッドランドが標準塗装例として指示されていたり、主力武器が、M16だったり、Molleシステムではなく、アリスベルトを装備していたり、腰に水筒という具合に、装備が古すぎる。
「ベトナム戦争以降」、「湾岸戦争以前」位の装備で、こういう言い方をするとなんだが、アメリカがあまり戦争をしていない時代の装備で、どういう想定で活用していいのか分からない。
対戦者ミサイル「M47ドラゴン」は貴重と言えるが、ジャベリンが主力の現代ジオラマでは、それなりの加工を施さないと使えなさそうだなー。

総評としては、

フィギュアの全体的バランスが今ひとつ。
銃器の造形はすばらしい。
装備が古い。


といった感じ。

私がこのキットを購入した理由は、走り込んでいるキャラクターの作成に使えそうだと思ったから。
しかし、このキットのキャラクターを今回のジオラマで使おうと思ったら、手や、頭のバランス、装備の作り直しなど、結構大変な加工をしないと使えそうにない。

どのキャラクターもポーズがすごくいいので、正直もったいない。
どういう局面での利用を想定して作られたキットなのか?目的も不明確で、改訂版を企画しては?と言いたくなる製品である。
頭、腕、下半身のバランスの悪さ、スケールのアンバランス感は、致命的で、単純に出来の善し悪しだけでなく、他のフィギュアと組んでのジオラマ作成にはちょっと難ありである。

しかし、ポーズがいいのは事実。腕に覚えのある人は、装備全般を作り直す気持ちで向かってみるのはどうだろう。
私もポーズを利用し、「頭、手をすげ替え、装備を作り直して活用してみようか?」と考えているところだ。

最後に10月末にスポット再販が予定されている「1/35 アメリカ現用歩兵 デザートソルジャーセット」は今回紹介した「アメリカ現用陸軍歩兵セット」に「今まさにM47ドラゴンを発射しようとする歩兵」と「射撃指示する通信兵」を加えて、合計6体となったセットのようだ。


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