2011年9月7日水曜日

模型塗料の特性について考えを巡らしてみた。

他ブログで書いた記事の移動記事です。


連続でのプラモデルネタで申し訳ないが、タイトルの通り。

前に紹介した、購入済み「タミヤ 1/35 M1046 ハンビー TOWミサイルキャリヤー」の作成は実のところあまり進んでない。

理由は、私自身がどちらかというと、「塗装好き」で「プラモデルを組むのがすき」な方ではないからだ。
プラモデルを組むというのは、形成線を削ったり、ランナーとの接合部を整形したり、と地味な仕事が多く、いまいち燃えない。
塗装は、地道な作業だが少しずつ美しくなっていく様がたまらない。ま、作らないと塗れないんだけどね。

でハンビーを組む前に、自分の塗装技術はどれくらい落ちているのか?今の環境にあわせてどういう塗装技術を身に付ければいいのか?について研究するために、「フィギア塗装の練習」をしている段階である。
何をどんな風に塗っているかは、写真が載せられるようになったときに紹介しよう。

で、塗装するに当たって、塗料を一通り購入するに向かい、色々調べ、考えを巡らした。

とその前に、自分が十代の時の塗装環境を少しだけ。

私が10代の時はなんと言っても、「パクトラ・タミヤ」である。米国パクトラ社とタミヤが提携して発売しされていた塗料で、「エナメル系」に属する。

あとは、有名な「Mr.Color」や「レベルカラー」というラッカー系の塗料があったが、私のジャンルはミリタリーと言うことで、色指定の関係からどうしても「パクトラタミヤ」という選択肢になっていた。

プラモデル生活の後半、タミヤから「水性アクリルカラー」が登場した。「筆が水で洗える。」っていう感じで大喜びで切り替えていったが、筆の感触の変化までは覚えていないなー。
ただ、当時の「タミヤカラー(水性アクリル)」は混ぜた際に、泡立ちやすく戦車のボディーなど広範囲な場所を塗るときに苦労したのを覚えている。(現在の「タミヤアクリルカラー」は改善)

さて今回塗料を選択するに当たって、比較的容易に手に入る3種類の模型用塗料を入手し、いろいろ使ってみたので、その感想を述べてみたい。
インターネット上で調査した部分と、私が個人的に感じた部分を分類して書いてみようと思う。なお、私の感想はあくまでも「私の目的による使用感」なので、違うタイプの模型を作るのが目的の場合、感覚は異なるかも知れないので注意。
比較したのはラッカー系の「Mr.Color」、水性アクリル系の「タミヤカラーアクリルミニ」、そしてエナメル系の「タミヤカラー エナメル」の3種類。

ミスターカラー(GSIクレオス)


インターネット情報

乾燥が早い。塗膜が強い。匂いがきつい。薄め液、筆洗いには専用シンナー。

個人的感想

まあ、昔も使って事のある塗料なのでなじみはある。
ラッカー系と言うことで、とにかく乾燥が早い。次の作業に早く移れるのはうれしい。だが、乾燥が早いので、塗料ビンのフタ付近は「ガビガビ」になりやすく、中途半端なキャップは厳禁。
乾燥が早いのは揮発性の高い溶剤のおかげなので、当然揮発性の強い、いわゆるシンナー臭がする。現代、模型作成環境によっては、この匂いが大きなネックになるかも知れないなー。
今は塗装ブースなる物が売られている。こういう物が必要になるかも知れないが、この機器も、外に排気するだけなので、近所迷惑なることにあまり変わりはない。


昔はこんなの無かったぞ!共に楽天最安値

使ってみた感触としては、なかなかいい。たしかに早く乾くが、その特性を知って使えば問題はない。細かい部分に塗る場合でも、溶剤でしっかり薄めれば、乾燥時間を長引かせることができるので、それなりに時間を掛けて塗ることも可能。
ただ、薄くしても、塗料そのもののノビは今ひとつで、細かいところになかなか入ってくれないのも事実。
また、溶剤が強いので下地を強く侵すのも欠点。下地に、アクリルや、エナメルを選択して上に薄く溶いたラッカーを載せようとするのは、厳禁。ほとんどの場合下地を侵すので注意。
逆の場合、「ラッカー下地、アクリル、エナメルの塗り重ね」は全く侵されることが無いので問題無い。

こういった特性を理解して使えば、この塗料「ミスターカラー」はかなり使える塗料と言える。
今後も、下地用として使おうと思う。塗膜も強いので、車などのボディーカラーには非常に向いている。乾燥時間を把握しながら濃度調整すれば、エアブラシにもすごく向くと思う。



次は

タミヤカラー アクリル(タミヤ)


インターネット情報

乾燥時間は中。塗膜が中。匂いはさほど無い。塗料の薄め液には専用シンナーが必要だが、筆洗い水でOK。

個人的感想

以前使ったことのある塗料だが、改良により「泡立ち」などの問題が改良されているとの噂は事実。
今回紹介する3種類の中での特性は中間的。
際だった特徴はないかも知れないが、水で筆洗いできるのは非常に魅力的。

ただし、今回使った3種類の中では最も印象が悪い。

理由は、塗膜の特性。
乾燥は、以前のタミヤカラーよりも早くなった感じがする。しかし、アクリルカラーの特性なのか、「表面は乾いて固まるのが早いが、中はいつまでも乾燥せずグズグズ。」という時間が長く、この間に手が入ってしまうと中途半端に固まった塗料がダマになって、模型表面が「ガビガビ」に壊れやすい。
溶剤で薄めても、この傾向は改善しないどころが悪化する。塗料の乾くスピードにくらべ専用シンナーの揮発性が高く、薄めて使うと、その分表面の乾燥速度が上がるのか細かいダマが、かえって発生しやすい。これは、非常に困る。
では、早く作業をとも思うのだが、塗料ののびが悪く、濃いめにして使うと塗料の固まりが大きく細かい部分が塗りにくい。薄めにして使うと、塗料のノビと発色が悪い。
塗料の固まる早さと、溶剤の揮発する早さのバランスが非常に悪い気がする。クレオスのラッカー塗料は溶剤の揮発より塗料の固まりが遅い感じで、かなり薄めると塗料の乾燥時間を延長出来るのに対し、タミヤアクリルカラーはいくら薄めても、塗料自体が薄まるだけで、溶剤の揮発性が高く、塗料ののりが悪くだけで、塗料そのものの乾燥時間を延長できないイメージである。

一般に言われているように、塗膜の強さはそこそこ有るようなので、車のボディーなどには使えるかも知れないが、フィギアの顔や、迷彩パターンなどの、細かい作業には、全く向かない。

使用前には、「メインで使う塗料になる。」と思い、多色購入したので、非常に残念。

今後はエアブラシ中心での使用に限定しようと思う。車のボディーや、バイクのカウルなどの広範囲な場所においては、比較的、指紋などがつきやすいとされているが、私は主にミリタリー系なので、フラットカラーにおいてはさほど感じなかった。光沢のある色使って、ツヤを出すために厚塗りしたりした場合問題が出るかも知れない。
エアブラシ手使う場合、使用後のエアブラシ洗浄用として「水」が使えるのは、他の塗料にはない非常に有利な要素だ。


最後に、

タミヤカラー エナメル(タミヤ)


インターネット情報

乾燥時間は長。塗膜がやや弱い。発色がよい。匂いはさほど無い。塗料の薄め液、筆洗い共に専用シンナーが必要。

個人的感想

パクトラタミヤに慣れていたせいか、<strong>今回の塗料では最も使いやすく好印象。</strong>
塗料の伸びが良く、薄め、筆先に少量付けてもしっかり色が乗ってくれる。薄めた塗料を確実に、細かく乗せたいケースには、非常に向いている。

欠点として塗膜の弱さが上げられている。エナメル系の塗料は「パクトラ」の時代からビンの中で「塗料/顔料」と「溶剤」分離するケースが多い。「パクトラ」に比べ「タミヤカラー」はやや改善されているが、その辺が塗膜の弱さの原因かも知れない。
塗装終了後にぺたぺたと触ると塗料がとれることは大いに考えられるが、それは、作業時の工夫で何とかなるし、できあがってしまえば、触られるケースもほとんど無くなるので、さほど問題にしなくていいというのが私の考え。
また、「エナメルはプラスティックそのものを侵すので、接着部の強度に注意」という事らしい。経験上そういうことも有るかも知れない。(塗装後、接着部がとれるケースを経験したことがある。)これは、下地にラッカーなどを使うことで、軽減できると思われる。

「塗膜の強いエナメル系」としては「ハンブロール」がよく知られていて、私も興味があるが、こちらは、価格がやや高めで、入手も難しいので、当面は「タミヤカラーエナメル」でがんばってみようと思う。

ちなみに、今回のインターネット調査で、「エナメル塗料だけで全部塗るという話は聞いたことがない。」という記事を見かけましたが、私が塗装しはじめの頃は「パクトラタミヤ」のみで塗装してました。(それしかなかったから。)
まあ、塗膜の強度などの観点で問題もあるのかも知れないけど、しっかり乾かせば、溶剤で薄めた塗料でエナメル→エナメルのウォッシングも不可能ではないので「エナメル塗料だけで塗装するのはダメ」というわけではないと思います。塗料を色々そろえるのが大変な人は、エナメル1本も悪くないと思いますよ。

タミヤタミヤカラー エナメル XF-49 カーキ◇01
タミヤタミヤカラー エナメル XF-49 カーキ◇01
価格:110円(税込、送料別)
最安値。税込み3000円以上で、送料無料も魅力。
身近にお店がないと言うことが検証されたので、私もここで買うことにしました。


というわけで、私の今後の方針は、

ラッカーで基礎、を作り、
水性アクリルで、ベースカラーを作り、(場合によっては細部も)
(でも、自然消滅待ちで、エナメルに移行するかも、、、)
エナメルで、極細部と、ウェザリングなどを仕上げる。

という感じです!

ちなみに、今回、タミヤカラー アクリルで塗った、フィギア(現代米兵)の写真を載せようと思ったのですが、カメラでズームしたら顔がガビガビでショック!!UPをあきらめました。手元にタミヤカラー・エナメルが来たら塗り直してUPしようと思います。
(こんなこと言っていいのかなー。塗り直して相変わらずガビガビだったら・・・・)

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