2011年9月20日火曜日

模型作り訓練 & レビュー レジェンド LF0132 US Dismounted Patrol Leader

他ブログで書いた記事の移動記事です。

どうしてもプラモデルが作りたくなってハンビーを購入したことは、以前解説したとおり。
ハンビーでジオラマを作成するつもりなのだが、自分の塗装技術の程度に不安があったので、取り合えず訓練として「フィギュアを塗ってみなければなるまい!」ということで、購入したのがこちらの韓国製レジンキット。

メーカーは韓国「LEGEND レジェンド」。
レジンキットの他には、エッジングパーツや、各種プラモデルの改造、改良キットなどを製造している。
本製品はプラモデルではなく、「レジン」いわゆる樹脂製の製品である。
製品は現代米軍のパトロールリーダーという設定。M4を携帯し、巨大なバックパックを背負っている。



私は「レジン」という物に詳しくなく、作成したのも塗装したのも今回が初めて。
プラモデルよりも製造工程が簡単なようで、いわゆるガレージキットのような形で制作されている物のようだ。
プラモデルのように大量生産できないのも特徴で、全体的に入荷が困難なのも特徴と言える。
(「レジン」は英語で「resin」で、単純に「樹脂」の意味。ここでは「合成樹脂製である」という意味合いと思われる。)

初めて作った「レジン」イメージとしては、プラスティックと同程度の堅さがあり、扱い方もプラスティックと似ているが、プラスティックのようなしなやかさに欠け、力が加わると、ゆっくり曲がったりせず、「ポキッと」折れる傾向がある。石膏ほど、弱くないが、欠けやすさ、ヤスリで削った際の「粉質感」は石膏に似た部分もある。
細かい部品や、ランナーからの切り離しには注意が必要だ。

かく言う私も、足の部分の切り離しに失敗し「かかと」が欠けた。パテで修正して何とかしたが、注意することに越したことはない。ランナーを大きめに残してヤスリで削って仕上げるのが正解だろう。

で、いきなりだが塗り上がりがこちら。

パトロールリーダー塗装後全景クリックでフルサイズ

塗装の詳細な話はさておいて、レジンキットの解説を済ませてしまおう。
まず、レジンはプラスティックではないので、プラモデル用の接着剤では接着できない。私は模型用の瞬間接着剤を使った。大変便利だがあっという間に固まるので、仮組を何度も繰り返し、接着位置のシミュレーションをした上で接着した方がよさそう。
私の場合、接合部分にピンバイスで穴を空け針金を差し込んだ(頭部)。位置の確認には最適だし、接着剤+αの強度が得られそう。また、針金は塗装時の、クリップポイントとしても使える。

パーツは5個、「頭部」「右手」「左手」「携帯武器」「体」となる。以外なのは背中の大型バックパックが別パーツになっていない点。

その利点は、バックパックが体と一体になっているため、「背負っている感」が非常に良く出ていて、取って付けた感じが無い点。

しかし、この「取り外せない」点が、同時にこのフィギュアの利用幅を狭めているのも事実。
バックパックは巨大で、通常のパトロール中、作戦中の情景では使えない。ハンビーに合わせるために多数のフィギュアセット、レジンフィギュアを購入したが、このフィギュアが、ジオラマ中最も使えなそうだったので、今回の塗装テスト用となった。ポーズも今ひとつひねりがないしね。

全体的、詳細な造形は「素晴らしい」の一言に尽きる。
造形が細かいと言うだけでなく、非常にシャープ。「これが、プラモデルとレジンの違いか!?」と感じさせるものがある。
価格は1体で1000円弱と、プラモデルのフィギュアセットに比べるとかなり高いが、その価値は充分にある。
ベスト、バックパックに配置されたMolleも非常にリアルでシャープ。同様にシャープに塗装すれば、自分の塗装レベルが1ランク上に感じられるであろうほどの出来と言える。

欠点は、逆にあまりにもリアルすぎ、細かすぎるために、他のプラスティック製フィギュアと一緒に情景(ジオラマ)を組んだとき、バランスが悪くなる心配があること。
その辺は皆さんの塗装技術でカバーして欲しい。また、先に書いたとおり、大型の装備と、その装備が外れなくなっている点は、やはり、ジオラマ作りにはネックになる。

レジェンドは現代米軍のレジンキットを多数リリースしており、入手状況は困難だが、現代戦のジオラマを作りたい人は、チェックしてほしい。
実は、私も一通り買った。

アマゾン 「レジェンド プロダクションズ」

さて、レビューはここまでにして、塗装の話を。

ACU とパッチとM4クリックでフルサイズ

ご覧のように、ACU着用、バックパックはデザート仕様。という設定である。
ジオラマ作成時の楽しみ(苦痛?)の一つに「時代考証」というのあるが、今回はこの部分をザックリと削ることにした。
というのは、ハンビーで作成予定のジオラマは、「「コール・オブ・デューティー:モダーン・ウォーフェアー2」のシーンを再現する。」というテーマで行こうと思っているので、今回のフィギュアもCOD:MW2に登場するキャラクターのイメージで塗装してみた。
COD:MW2に登場するキャラクター達は、SF的要素を表現するためか、装備が非常にまちまちでおもしろい、今回もその辺の面白さが出せたらなー。と思って塗った。

順番に解説する。まずは、ACU。
ACUは非常に細かく、「面倒で難しい」だけでなく、塗り上がりに「らしさ」がなかなか出てこない「やっかいな迷彩パターン」だった。所持している実際のACUに色を似せてみたり、色々努力してみたが、今のところこの辺が限界。
今回は、横縞を多数配置して、雰囲気を出そうと試みたが、今ひとつ。改善の余地多数有りで、次回までには新しい技法を投入したいと思っている。

M4は、私もインターネットで色々検索してみたがこういう配色のM4は見たことがない。しかし、そこはゲームの世界の面白さなので、上はブラック、下部、ストックなどがデザートという配色を、そのまままねてみた。
ちなみに、銃は一部改造、銃口部分をサイレンサー装着風に、ストックの取り付けも真鍮線で補強してある。
これは、キットのM4の銃身や銃口が「ややゆがんだ感じに見えた」ので、まっすぐに作り直したくて、始めたことだったが、基本的には失敗だった。
自分のピンバイス能力が低く、結局曲がった感じは直せないまま、銃口の加工が面倒だったので、サイレンサー風にしている。
冷静に考えると、この装備に、サイレンサー付きM4はやや珍妙かな?
サイレンサー部は0.5の銃身に0.8の真鍮線にピンバイスで穴を空けて接合した物だ。努力してみたが結果的には×かな?

バックパックは、デザートっぽいカラーにしたが、COD:MW2内では、服以外、ベスト、装備品、ポーチなどが「オリーブ・ドラブ」っぽい色のものを着用しているキャラクターが多い。その点では、オリジナル塗装と言っていい。
このバックパック、実はACUの塗装方法と全く違う、ドライブラシをメインとした塗装をしており、全体的に暗く、服とのバランスが悪い。
Molleに対するシャドーの筆入れはうまくいった。ドライブラシだけではカバーできないこういった細かいシャドーの塗装は改めて塗り直した方が、圧倒的にシャープに仕上がる。

パッチは最後に塗ったので結構駆け足。緻密に塗った後に、グレー系統でウォッシュ。本来ACUにはこういう色のパッチは貼らないんじゃないかとも思ったが、これも「Call of Duty :Modern Warfare2」より。右肩の部隊章もCOD:MW2の1シーンより頂いた。

バックパック 塗装
パッチ塗装
バックパック こちらは左から

塗装は、色々な技法、色々な塗料を試してみた。かなり細かいので、技法的な主力はドライブラシと言うことになるが、塗料は以前報告の通り、水性アクリルは使えば使うほど、悪い結果を招くということが分かり、「タミヤエナメルカラー」がメインとなっている。
エナメルからは、薄めても濃いめに使っても、しっかりと発色してくれる、いい塗料だ。私が「パクトラタミヤ」に慣れてきたせいもあるのかも知れないが、やっぱり細部塗装は「エナメルに限る。」という印象である。

顔塗装

顔の塗装は、実は以前、顔の塗装だけ終えた時点で、ブログにアップしようと写真を撮ったら、(デジカメのズーム機能による)アップのおかげで、塗装ムラのひどさに驚いて、全部剥がし、塗り直したという経緯がある。
今回は、同じ顔、二回目の挑戦。比較的まともに仕上がってはいるが、まだまだ研究、向上の余地有り。

ジオラマ台座1
ジオラマ台座2
タイヤ痕 つぶれたCokeカン

ベースはホームセンターで80円で購入した飾り台にパテを盛った物。
パテを粗く盛って、更に盛り直し、表面を削り上げて平らにすれば荒いアスファルトっぽい雰囲気が出るかと思ったが、今ひとつの出来。荒く盛った物を削るという「一発仕上げ」の方が良い結果を出してくれたかも知れない。
塗装はドライブラシで数色を塗り、アスファルトの雰囲気を出し、最後にデザート系の色をエアブラシ。オマケに手元にあったハンビーのタイヤに、デザートを塗って転がしてみた。

次回のジオラマに大量登場予定の、「つぶれたカン」を練習として作成、飾ってみた。ランナーから削りだした物だが、パテで作るのが正解かも知れない。

台座にフィギュアを固定した後、靴の周り、カンの周りに、シャドーを施して完成。

結構手間のかかる作業であった。何しろ、仕事の合間、昼休み、睡眠時間を削っての作業と、全く飛び飛びの時間しかとれなかった割には、いい出来映えではないだろうか?

今回の一連の作業で、考えたことがいくつか。
まず、

「もっと計画的に作らなければならない。」

今回はあまりにも思いつきだけで動きすぎた。バックパックは、塗装中にデザートにすることに決定し、塗り重ね塗料を無駄にしたし、後になってヘルメットにゴーグルを追加しようか?と迷った(結果的にあまり手を入れないことに決定)。
肩のパッチだって、紙でパッチ風の物を一枚乗せていれば、ずいぶん雰囲気が変わっていたはずだ。

塗装が始まる前に、モデルの不満点、加工すべき点を洗い出しておいて、完全に加工し、次の段階として「塗装」をセッティングすべきだった。

第二に「信念を持って塗るべき」
多くのモデラーのとる方法が、自分がこれまで使ってきた手法と違い、いろんな手法を、まぜこぜで使ってみたのも失敗点。インターネットやら本やら、塗装のための情報を集めすぎた。結果的に、大いに迷い、自分の手法に自信が持てなくなったのは、大きな問題点。
自分の手法にもっと自信を持って、あまりあれこれ悩まないで方がいい気がする。
自分なりの思い切った塗装法が、いい結果を導くというのが今回一番思った点だ。

さて、20数年ぶりの模型塗装、私は大いに楽しみました。
自分はどっちかって言うと、模型作りより、フィギュア塗装の方が好きなんだって事も分かりました。

新規モデラーの方、出戻りモデラー予備軍の方、いっしょにプラモデルやってみませんか?
今回の記事楽しんでもらえました?
レスポンスいただけたらうれしいです。では、また。

(おっと、蛇足ですが、今回の塗装中、多くのミリタリーモデラーが、現代兵よりも、旧ドイツ軍などの古い時代のフィギュアを好む理由が分かった気がします。現代兵は、迷彩もそれに付属する装備も非常に合理的で、コントラストが無くて面白くないんですよね。今回塗ったフィギュアもモールドは素晴らしいのですが、結局、服も装備も、バックルもベルトもみんなグレー統一です。グレーのシャツに、革製ブラックのベルト、金属のバックルと、美しいコントラストを持ったモデルを私も塗ってみたいですもんね~。)

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