2012年2月13日月曜日

レビュー ドラゴン 1/35 M1A2 SEP

プラモデルの作成ペースというものは、 初めのうちはガンガン上がっていくが、 後半にいくに従って停滞していく。
理由は、 初めは、 部位ごとに作成に向かうことが可能だし、 基本的にやることが多いので、 「この作業の後、この作業」、「この塗装の乾燥待ちに、こっちの塗装」と作業が連続的に行われるからだ。
これに対し、完成を間近に迎えると、部位は一つに向かって集約されていき、作業量も減る。
「この塗装が完全に乾くまで作業できないなー。」となりやすい。

この解決方法として編み出された手法が、並行的に複数作品を作ったり、現在作の後半に新作を作り始めるという方法である。

この方法は、「時間の有効利用」と言う面では非常に効果的であるが、同時に魅力的な新作のために、完成間近の作品への情熱が減退し、完成までたどり着ない、 「未完成病」という病の発症原因ともなる。


どーだ。こういうアカデミックな書き方をすると、未完成病も立派な病気みたいに見えるだろー。

で、別に未完成病にかかったわけではない。
「ハンビー」も「RGB」も完成させるつもだ。
しかし、、、、「ハンビー」は道路に散らかすゴミのエポパテ乾燥待ちだし~、、、
「RGB」はエアブラシ作業の乾燥待ちだし~、、、、、

要するに「新作に入りますよ」って言う話だ。決して未完成病になんかかかってないぞっ!!


新作は、「新作アンケート」に数少ない、、、、いや、正確には唯一のレスポンスを頂いた「麦イチゴ」氏のリクエストにお応えし、(たまたまこちらの意向と一致していただけだが、)「M1A2」の作成となる!!。


今回は、毎度のことだが、初回と言うことでファーストインプレッションレビュー。

今回選んだキットは「ドラゴン 1/35 M1A2 SEP」だ。



ネット上ではやや入手困難になりつつあるが、ポピュラー商品なので、店頭などでは比較的簡単に手に入るのでは?というところ。

タミヤの比較的新しい作品「ハンビー」。タミヤの古い作品「RGB」ときたので、作ったことのない、タミヤ以外の新興勢力「ドラゴン」「トランペッター」の作品を作ってみたんだよねー。

ドラゴンはフィギュアはすでに何種類か購入しており、ヘッドを含む詳細モールドには好感を抱いていて、「あれだけのもの作るメーカーなんだからきっと素晴らしい模型に違いない」と、かなりの期待感を持って購入した。

まずは、製品の特徴。

  • パーツ数が大変に多い。
  • 非常に詳細なモールド。
  • エッチングパーツ付属。
  • 金属製の砲身付属。

エッチングパーツや金属砲身は最近のリアル系AFVキットにおいては主流になってきているが、私自身ほとんど触れたことがないので、更に期待が大きかった。


結論から言うと、やや残念な模型であった。

まず、第一に


意外と合わない。無駄に多いパーツ数。

驚いたのは、パーツの「合い」が以外と良くないこと。
昔のプラモデルのように、「パーツがゆがんでて全然合わない」と言うようなことはないものの、決してぴたり合うという感じではなかった。小さいパーツの合わせのための出っ張りが大きすぎてうまく入らなかったものも多かった。
また、「ここに合わせてね」という感じに「切り欠き」が加えられている部分が少ないため、「右?左?中央?どちらに寄せて接着したらいいの?」と戸惑う部分がかなり多かった。


上記写真の「切り欠き」はご覧の通り実車にもあるもの。しかし、こういうリアリズムも「パーツが合えば」こそだ。


また、評価の分かれるところと思うが、パーツ数がやたらと多い。
上写真はエンジンルームのボンネットに当たる部分だが、実に7枚のパーツで構成されている(エッチング、小パーツ除く)。
(エンジンは無いが)ボンネット各部位の空いた状態を表現したい人にとっては有効なパーツ分割かも知れないが、私には作りにくいだけだった。「説明書の不味さ」、「微妙なパーツの合いの悪さ」と相まって、印象は悪い。
1枚パネルでどこに問題があるのだろう?これで各パーツが「ピタリ」と合えば不満もなく「さすがドラゴン!!」って言う話になるのだが、微妙な隙間が出来るくらいなら、「モールドで表現してもらって良かったんですが、、、」という気になる。


不味い説明書。

キットに付属する説明書は、ドラゴン作品に定評のある出来の悪さ。
本作固有なのか、ドラゴン製品共通なのかは不明だが、本キットの説明書は、パーツが多い割に解説のステップ数が少ない。結果的に1ステップ当たりの作業量が多く、その接着順や、精密な位置に対する指示が少ないため、非常に混乱するケースが多かった。
インターネット上から写真を見たりして、考証。納得して接着できるケースもあるが、資料不足で、未だにどこに接着して良いか解らないパーツも多い。
「分かりにくい」「番号が間違えられている」程度なら、自力で何とかするところだが、明らかに指示ミスと思われる箇所もあった。
一番大きなメインのボンネットの接着指示は説明書上「ステップ6」となっている。
同時に上写真の右下の「ツールボックス?」と思われるパーツは説明書上の「ステップ8」での接着が指示されている。
しかし、この指示通り作業を進め、メインのボンネットを接着したところ微妙な歪みを感じた。そして、ステップ8で写真下のパーツを取り付ける際に、実はこのパーツがメインボンネットの下に潜り込んで接着されることに気がついた。歪みを感じたのはこのパーツの厚み分斜めに接着してしまったためだ。
正確には、この「写真右下」のパーツを先に接着し、その上でメインのボンネットを重ねて接着するのが正解だ。

W14が問題のパーツ

こうなってくると、説明書は全く信頼できなくなってくる。説明書を前後しながらも、周辺のパーツを一通り準備して仮組みし、どういう順番で組むかを自分で判断しながら作業する必要がある。
あー、こういうのもプラモデル作りの楽しみの一部なのかなー?

ちなみに、「図を見ても接着位置がよく分からないもの。」「図の接着位置が明らかに間違っているもの。」も数多く見つけられた。

実車写真を参考にしながら作業を進めないと、とんでもない完成品になる恐れアリ!!

海外の2流サイトでたまに見かける、極めて初歩的な日本語ミス。
「タソ」ってどんな色なんだろ~?ってあんた、一体何年プラモデル作ってんだよ!!

細かいバリが多くシャープさに欠ける。

極めて細かい、バリと呼ぶのもどうかと思える「歪み」も気になった。


どうやら、ドラゴンの、このキットは「形成線」がパーツの合わせ目、表面側に配置されているケースが多いようだ。ある意味形成のシャープさを出すために有効な方法かも知れないが、これに「歪み」「バリ」が出てしまうとどうしようもない。せっかくの細分化されたパーツ。実車両で言えば金属の合わせ目が微妙にゆがんでしまっているので、見栄えが悪い。
実際、この「歪み」を「直線」に直していく作業には結構時間がかかった。
些細なことだが、こういうヘロヘロ線がきっと全体を覆うと、結果的にリアリティからどんどん遠ざかる事になるのでは?と思い手を入れている。
「詳細なモールド」は多いに結構だが、私の要望としてはこういった、「パーツの合わせ目の直線」のほうが重要だ。こういった部分をしっかり仕上げた上で、「詳細モールド」を付けてもらわないと、そちらは評価できない!!

もう一つ気になったのはインジェクション固有の「ピン痕」。
○形状でモールド上に残るこの痕だが、このキットでは圧倒的に、「出っ張り」で残るケースが多かった。
プラモデルを作ったことがある人は、このプラもランナーが、型から押し出される際にピンで押すために準備されるこの、「ピン痕」が、出っ張り、へこみ、いろんなパターンで形成されてしまうことを知っているはずだ。
理想は形成面とフラットな面であるが、なかなかそうもいかない。本モデルでは、圧倒的に「出っ張っている」ケースが多かった。
ピン痕が凸ているのと、凹んでいるのを比較すると、モデラーとしては凸ているほうが嬉しい。
理由は、カッターやヤスリで削れば良いだけだからだ、凹んでいると、パテ埋めして削ってと作業量は増える。
しかし、これは見える面の話。見える面は綺麗に仕上げたいので、こういう作業をするが、接着面、見えないでは、出来るだけこういう作業をしたくないのが基本。
しかし、ピン痕がことごとく出っ張っていると、接着面においては邪魔になって理想的な接着が出来ないので、いちいち、削り取る作業が生まれる。凹んでいた方がずっと嬉しいのだ。
ことごとく作業を増やしてくれる、ドラゴンモデル君。ユーザーリサーチが足りないのではあるまいか?

私は別に、国産品やタミヤの肩を持つつもりはないが、こういう、詳細部分の出来は圧倒的にタミヤ製品に軍配が上がるといって良い。
というか、このモデルを作成することで、タミヤの凄さが解った気がする。「別に普通」と思って作った「タミヤ ハンビー」。実はすごく作りやすいキットだったんだなー。

エッチングパーツの存在はやや疑問。

最近の大型キットにエッチングパーツが付属してくるのは定番と言えるが、このキットも例に漏れず、エッチングパーツと金属砲身、加工済み針金などが付属してくる。

エッチングパーツはスケールなりの薄い鉄板の表現には向いていて、プラスチックだけでは表現できない詳細な表現が可能だが、反面、薄い真鍮板なので曲げてしまったりするとかえってリアリティを損ない、接着は「瞬間」中心となるので、「漏れ」は直接周囲のモールドを埋めてしまう欠点がある。
今回の主力は既出の写真でも見られるメッシュのグリルや、砲塔周りのメッシュが中心だが、写真のメッシュグリルは中の状況がよく見えるわけでも無し、あまり意味を感じない。このメッシュグリルより周辺にモールドされたボンネットのハンドル類を、モールドから金属パーツへ変更してくれた方が嬉しかったなー。
正直言うと、エッチングパーツというものにつきあったのは今回が初めてに近い。
真鍮板から切り出して、ヤスリでバリを取り、ピンセットと瞬間で接着するという作業は結構面倒くさい。というか、私には苦痛だった。

こういうのが、現代模型のリアリズムなのか?
私の印象としては「プラモデルとしてのクオリティを追求するために、詳細なエッチングパーツを付属しています。」という感じではなく、「流行り物のエッチングパーツを付けました。これを付けたらリアルになると思いますが、作業性まで面倒は見られません。」という感じ。
どこをエッチングにするか?という部分もややちぐはぐな印象だった。

ただ、これは、この模型の欠点ではないかも知れない。
エッチングがうまく付けられないのは、たぶん私が下手だからだろう。
何より不満なのは、
「実車はこうなっているなー、じゃ、ここをよりリアルにするために加工してやれ!!」という個人的な楽しみを奪われ、「この小さなエッチングを精密に切り出し、ここにピンポイントで接着しろ。」と義務的に押しつけられた感じ。

やっぱりエッチングというのはキットの付属するものではなく、リアリティ追求モデラーが別途購入したり、自作してみたりするものではあるまいか?、,,,



いろいろ、悪態をついてしまったが、別にドラゴンの悪口を言いたいわけではない。もちろん、利点と言える部分も有る。

モールドは確かにリアル

詳細なモールドは確かに、リアルで、溶接痕などもいい。
(ただし、模型そのものが合わないので、接着痕をパテで修正後、これらのモールドが生きてくるかは不明。)

マニアには嬉しいであろう選択肢

装備のいくつかは選択肢が設けられており、マニア、特定の車両を作成したい場合には、便利で嬉しい。
(ただし、今回はそういうふくらみは無し。また、装備の選択肢にはそれが、どういう意味のものなのかの記述が全く無いため、無知な私にとっては、どっちの装備を選択すべきなのか大変不明なものが多い)、、、、、、、、。

以上!!



総括

正直言って、私はこのキットやドラゴンの悪口を書きたかったわけではありませんが、結果的にこうなってしまいました。
関係者の方、ファンの方、お許しください。
あくまでも私の主観ではありますが、私は、このキット、お勧めできません!!
M1を作ってみたいのであれば、素直にタミヤを買うのが正解でしょう。
このキットの購入をお勧めできるのは、マニアの方で、「キットの歪みやパーティングラインをものともせず」、「作りながら一生懸命考証が出来」、「1mm四方以下の真鍮板にヤスリ掛けが上手に出来」、「狙った位置に正確に接着修正」出来る方です。

そうではない私にはストレスたまりまくりの作品です。
しかし、だからといって投げ出すわけにもいかないでしょう。じっくりと腰を据えて、修正を重ねながら辛抱強く作るしかないでしょう。
「なんでこんなパーツ作るんだよ~」と文句を言いながら今日も作成中です。

今日並べた数々の悪口も、すてきな完成品をお見せする日には,すてきな思い出となって、照れくさい感じになってくれればベストなのですが、、、、、


超長文にて失礼しました。

ちなみにこちらの商品、最近急激に入手が難しくなっています。
入手できるサイトを見つけたので紹介します。
■ドラゴン■1/35M1A2SEPエイブラムス【プラモデル】




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2 件のコメント:

  1. 要望に応えていただき感謝です。

    タソ・・・(笑)
    ダーワブラワソ・・とかですね(ダークブラウン)
    あれは、消費者へのエンターテイナーの1部分だと考えています。(笑)

    確かに、パーツ数は多いですね。
    これは驚異的といっても過言じゃありませんね。
    しかも遊びがなく、かなりクリアランスが厳しい。

    これ、作ってて下手すると拷問?って感じもしてきます。(笑)

    それでも、完成するとリアルです。
    タミヤのは、正面キューポラのワイパーすらありませんでした。

    どちらも、一長一短ですね。

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  2. 麦イチゴさんコメントありがとうございます。正直言って、長い悪口文になっていますが、「別に悪口書きたかったわけではない」事を皆さんに解ってもらいたいです。
    完成度のすばらしさは、完成した段階で、私の腕といっしょにそれぞれが批評頂ければと思います。
    「下手すると拷問?」ドラゴンを作ったことのある良いコメントです。現在作業のブログ記事に「拷問」という言葉を使おうと思っていたところです。
    ただ、改めて考えると「拷問」は言い過ぎかも知れませんね!「苦行」が適切ではないでしょうか?

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