2011年11月5日土曜日

ついに浮気!! レビュー ドラゴン 1/35 ドイツ軍 武装親衛隊 擲弾兵 1944-45

未完成病の始まりなのでやらないつもりでいたのだが、ついにハンヴィーと同時進行で、違うビネットを作成することにした。
ビネット(Vignette)」とは、「小さな装飾」みたいな意味合いで、「小型のジオラマ」の事を指すようだ。
ちなみに私が出戻りになる以前、10代の頃(おおよそ27年前)はこういう呼び名は無かったような気がするなー。当時は必ず車両が絡んだりしてたし(場合によっては2台)、あまりこういう小型の装飾品、というかアート的作品は少なかったような気がする。


私が浮気したくなった理由はいくつかある。

一つは、ハンヴィーの作成は「再現」と名打ってしまったので、小さな改造、パテ作業など、地味なものが圧倒的に多く、作業の進行が見えない。疲れるのだ。
なので、あまり改造作業を伴わないで、キットをサクッと作って、サクッと情景に飾り「出来たー」となってみたい。と言うのが一つ。

もう一つは、現在の作成上の技術調査もかねて、色々な方の作品を見て回っているのだが、皆さんが作るのは圧倒的に「WW2 旧ドイツ軍」が多く、それら、素晴らしい作品を見て、私も「作ってみたい!」と、思ってしまったのが原因だ。

昔から、ミリタリーミニチュアの定番と言えば「WW2」であり、その中でも一番人気と言えば「ドイツ軍」というのは、まあ、定番中の定番。
なぜ、「WW2の中でドイツ軍の人気があるのか?」については、(これは私の想像だが)たぶん、ドイツ軍はWW2の期間。おおよそ1939年から1945年までの6年間という短い期間でありながら、多数の装甲車両、兵器、兵員装備を実践に投入。数多くのバリエーションの武器、装備を見ることが出来るからではないだろうか?と思う。
これに対し、アメリカ、イギリス軍などは、比較的装備の変化もなく、車両の種類もあまり多くない。

比較的、紋切り型の連合軍に対して、時代によって、かなり自由度のあるドイツ軍は、作風の自由度も広がる。というわけで、やっぱりジオラマの主役になりやすいというわけ。


前置きが長くなった。
今回私が、選んだキットはこちら。
ドラゴン 1/35 ドイツ軍 武装親衛隊 擲弾兵 1944-45
私は、どちらかというアクションのあるジオラマを作るのが好きだが、今回は、あまり作らない動きのない、落ち着いたシーンにしてみようと思いこちらを選んだ。

そうそう、もう一つ言い忘れていたのだが、このキット「ドラゴンモデルスGen2」を作ってみたかったというのも、浮気の大きな理由である。

GEN2」という呼び名は単純に「第二世代」の意味。まあ、「細かいモールドが凄いよっ」っていう商品なのだが、改めて調べてみたら、実は、この商品GEN2ではない。

よーく見ると「GEN2 Gear」と書かれており、装備品類はGEN2のセットになっているが、フィギュアはGEN1の製品のようだ。
えー、このキットもモールドが細かくてなかなかのモンなんだけど・・・。

GEN2のフィギュアは頭部(顔)も前後分割組み立て式になっていて、モールドの出来が良いのだそうだ。
顔を前後分割するのは、やや、やり過ぎと個人的には思うが、プラモデル(インジェクション・キット)の最大の弱点と言える形成線付近(ランナーのまま置いて、真横から見た部分)の形成がどうしても甘くなってしまうのを防ぐためではあるまいか?

ちなみに、ドラゴン モデルスの「GEN2 Gear」、「GEN2」はインターネット等で検索しても、やや、やや明確性に欠ける。「自分が買おうとしているセットは何に当てはまるのか?」あるいは、「GEN2が欲しい!」といった場合うまく目的のものを探し当てるのが難しい。

凄い細かさ。フィギュアに接着済みの双眼鏡のレンズのへこみがある。
水筒などの細かいモールドもすごい。
MP40のマガジンケースは裏もモールドされている。
上の写真の通りどれもモールドは細かく、「素晴らしい」につきる。
ただし、不満もないわけではない。

まず、「双眼鏡」非常に素晴らしい出来と言える。しかし、上の写真なぜ、すでに接着済みなのかというと、ランナーから切り離し、ゲートをナイフで削っている間に壊れ始めたからである。
この双眼鏡は、左右の接合部分が非常にリアルに出来ており、中央シャフトの両サイドはしっかり穴が空いている。リアルなことに文句はないが、圧倒的に強度がない。
まあ、はじめからその辺が分かっていれば、もうちょっと加工の方法を考えたのだが、「こりゃやばい」と、接着してから形成線を除くことにした。
これで、真っ二つに割れてしまった日には、リアルもヘッタクレもない。

もうひとつ、パンツァーファウスト。こちらもリアル。照準器やらトリガーやらもリアル。リアルついでに照準器とパンツァーファウスト本体と照準部分は別パーツの組み立て式になっている。
「組み立て式」の最大の利点は、パーツの選択により「照準器が倒された状態」、「射撃用に照準器を起こした状態」が選択できる。ということになる。
まあ、リアリティーがあれば組み立て式でも、一体形成でもどっちでも良いのだけど、この場合はちょっと、リアルじゃない方に傾いている気がする。理由は単純で。照準器を接着する部分のパンツァーファウスト側に溝が掘られている点。
おかげで、大変組み立てやすいのだが、当然接着後に溝が出来る。
不満だ。


不満なのでパテで埋めてみた。まあ、こんなことしなくても、綺麗なものが出来ると思うし全体的に、非常にリアルなことは認める。
マニアは間違いなく手を挙げて喜ぶ出来映えである。きっと塗装も楽に出来るに違いない。

ただ、重箱の隅を突っつくようだが、マニアに合わせて、ディテールを上げ、結果的に強度が低下したり、ディテール上げのために分割され複雑になってしまうキット。
これでいいのか?という気がしないでもない。

私個人としては、パンツァーファウストが一体形成でもかまわないし、双眼鏡のセンター部分に穴が空いて無くても別にいい。

でも、ミリタリー・フィギュアを初めて作る人がこのキットを買ったら、双眼鏡を割っちゃうかも知れないし、パンツァーファウストの照準器をランナーから切り離すとき二つに割れてしまうかも知れない。

リアルなモデルは当然多くの人に褒められるし、私も好きだけど、その結果初級者に取っつきにくいっていうのは考え物。と個人的には思う。

インターネットで色々調べている中で「ドラゴンの模型はディテール一流。説明書三流」という記事を見つけた。これは事実。
本製品の裏側には箱絵同様のイラストの他、無塗装のキット写真が載っており、こちらで、組み立て指示、塗装指示が行われているのだが、結構な間違いがあったり、説明不足の部分も多かった。例えばガスマスクケースはキャップ部分が組み立て式になっているにも関わらずその説明はなかった。
また、フィギュアには明らかにガスマスクケースのものと思われるストラップのモールドが刻まれているのに、装備取り付けの指示に何もされていなかったり、珍妙な部分もある。要注意である。
はじめから「解っているだろう。」と言うスタンスなのか?あるいはサンプルモデルを作成した人間に知識がなかったのか?は不明だ。


ところで、このキットはシンプルなビネットになるわけだが、ハンヴィーのフィギュア達と違い、腕を自作したり、装備をリアルなものに変えたりはしないつもりだ。
あくまでもシンプルに「このキットだけで、どんな情景が出来るか?」ってところにこだわってみたいと思う。

作業は、ハンヴィーと同時進行のためさほど進んではいない。2体のフィギュアの形成線(パーティングラインとも)をナイフで消した程度。
普段は、あまり丁寧にしない作業だが、さすがにフィギュア2体だけとなると、このへんも丁寧に仕上げないといけないので、結構な時間がかかる。

今回の作品は、あくまでも、シンプルに作ることを目的としているので、あまり肩を張らずにリラックスして、「ついでに出来りゃいいや」くらいのペースで行く予定。
「またしても」ではあるが、完成はしばらく先。ハンヴィーが先か?こちらが先か?っていう感じである。

ちょっと、悪口も書いたけど、ドラゴンのキット良いですよ。そこそこ作り込んだ経験のある人ならこういうので、よりリアルな世界に足を踏み入れるのも良いのでは無いでしょうか?


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2 件のコメント:

  1. ドラゴンのフィギュアはどれもモールドがキリっとしてますよね。大好きです。なぜかというとやはり、塗りやすいので(笑)
    タミヤのMM初期のキットに付属する兵士と比べると、全然違うのがわかりますね。時代とともに、金型の技術が進んできているっていうことなんでしょうか。
    やっぱり、ドラゴンのキットは全くの初心者には難しいですよね。おっしゃる通り、説明書の間違いが結構ありますし・・・
    その点、タミヤは組みやすいですね。タミヤのキットを組む時はある意味なにか安心感があります(゜-゜)

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  2. 出戻り以前は、「タミヤが世界一」と思っていたけど、中国勢力の台頭は、本当に凄いものがありますね。
    まあ、ドラゴンgen2ほどの精細ぶりは必要ないにしても、タミヤには私が現在作成中の、「M1025 HMMWV」のような精密で組みやすいすばらしいキットを作る能力があります。
    マニア向けの精密作品もいいのかも知れないのですが、だれでも組めるリアルなプラモデルも必要なのではないかと考える昨今です。

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