2012年2月28日火曜日

顔塗り!!その3(違う!顔じゃない!迷彩塗り編)

「顔塗り!!」と言うタイトルで始めちゃったので、ちょっとタイトルが変になっちゃっているが、気にしないこと。

今回はドイツ軍武装親衛隊の作成と言うことだが、前にも紹介した写真を見ての通り、一体はスモックを。もう一体は防寒アノラックを着用している。ドイツ軍の防寒アノラックはリバーシブルになっており、裏側は雪用の白となっているので、その気になれば迷彩塗装を避けられるのだが、スモックは避けて通れない。また、この2体をセットにした場合。片方が迷彩スモック、片方は白色では格好が付かないので、両方とも迷彩に塗ることにした。

ドイツ武装親衛隊は実戦で大規模に展開した最初の軍隊と言える。改めて色々調査してみたのだが、ドイツ軍の迷彩の種類は本当にすごい!驚かされるのはその種類で、戦前からの開発となるのだろうが、1945年の終戦までおよそ10年程度の間に15~20程度の迷彩パターンを生み出し、最終的には戦闘服そのものの迷彩化までやっている。すごい。
年1回以上のペースで新型迷彩を投入して、全員ではないにしても供給するなんて、米軍だってやらないぞ!「戦争で疲弊する中、大変だったろうなー」などと、ついいらないことにまで気を巡らしてしまうものだ。

今回の設定はおおよそ1944年の秋、マーケット・ガーデン作戦とバルジの中間くらいをイメージしているので、2人とも「秋冬迷彩」を採用しようと思う。(現代米軍が「ユニバーサル」とかいって、1つのパターンで何とかしようとしてるのに、こっちは「秋冬」「春夏」迷彩だぜ!!すごい!)

まずは、防寒アノラックを着た兵士。
彼の迷彩は「Oak Leaf(柏の葉)」と呼ばれるパターンを採用する。オークリーフパターンと呼ばれるものにも数多くのバリエーションがありなかなか面白い。また、春夏仕様の緑系もあるのだが今回は秋冬仕様の枯れ葉色。くっきりとしたオレンジ色が印象的な迷彩パターンである(印象的なのは不味いんじゃないの?一応迷彩だし(^^;)。


Step1
ベースカラーを塗る。使用するのは相変わらずタミヤアクリル「ミディアムグレイ」
 タミヤアクリルを精製水で薄めて使用する方法を紹介しているが、伸びが良くなり、かなりマット感も強くなるのでお勧めな方法だが、塗膜が弱いのが気がかり。
なので、サフ処理済みとは言っても、一層目は水溶せず、溶剤で薄めている。溶剤の方が定着/塗膜強度がいい気がする。


Step2
オレンジで迷彩色の書き込み。資料から特徴的なパターンいくつかを見つけて書き込む。
良い感じにかけたとは思うが、ここでいつもの失敗。
細かいパターンに気を取られ、カラーの比率が悪い。オレンジの部分の比率をもっと高くすべきだったが、この時点ではまだ気付いていない。
特徴的なオレンジ色は、「フラットイエロー」「フラットレッド」で作ったフラットオレンジに「バフ」を加えて濁らせた。


Step3
特徴的な色、もう一つ一番暗い色を「ジャーマングレー」で。

 Step4
あとはそれぞれのパターの縁取りを塗っていく。
縁取りに使われている色は2色。今回は「ニュートラルグレイ」と、「カーキ」。この迷彩はこういうもともとこういう処理がされている迷彩なのだが、模型的にも迷彩の輪郭がシャープになってうれしい。

Step5
本来は丁寧に各色、せめて3色それぞれのシャドー、ハイライトを入れるべきところだろうが、割愛。極めて薄いジャーマングレーでシャドー、極めて薄いバフでハイライトを入れた。


背面。装備の一部をシルバーに塗ったのは実は一番最初。メタリックカラーは後から入れてはみ出したりすると非常に面倒なので、一番最初に仕上げておく。このギンギラがどんな効果を出すかは完成品を見てもらうと解ると思う。



Step6
相当端折るが、細かいところを塗って一応の完成。やっぱりオレンジが少なかったなー。


背面

ディテール

飯盒、水筒の蓋、ガスマスクケースは塗装後にナイフで、カキカキして劣化感を出す。

次回ももう一体の迷彩を塗る!

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2012年2月27日月曜日

顔塗り!!その2(本番編)

前回、 アナウンスして有る通り、 私の顔塗りプロセスを紹介しようと 思う。

さほど上手くも無いのに、 プロセス紹介なんて、 なんだか笑われそうで 恥ずかしいというか 、、、止めようとも思ったが、 アナウンス済みだしな。

まあ、下手なら下手なりに、「こいつ下手だな。」といった具合に反面教師として、役に立つ場合もあるだろう。良し悪しは別に、「ためになった!」と言ってもらえたら嬉しい。
もちろん、「こうやったらもっと上手くなるよ。」というアドバイスも歓迎なのでコメントして欲しい。

さて、顔塗装に、現在主に利用している「筆」の紹介。「タミヤ モデリングブラシPRO 面相筆No.000」と「タミヤ モデリングブラシPRO 面相筆No.00」の二種類。


「あまり細くない」と思う人もいるかも知れないが、私にはこれくらいが向いている。これよりも細いクレオスの筆も使ってもみたが、「腰」がタミヤより大幅に劣り、塗料をかなり伸ばさないと筆が持って行かれるばかりで、塗料ののりが悪く、現在はほとんど使っていない。良い筆があったら教えて欲しい。

さて、前置きが長過ぎて、前回みたいになるのも嫌なので早速入る。

塗装前の顔
実は、塗装前に下処理無しでいきなり塗ってみたところ、塗料ののりが悪く、触ってみると取れやすかった。つるつるのプラ表面にいきなり水溶きのアクリルを塗るのは無理がある気がする。
インジェクションの表面は剥離剤が付いているので、丁寧な人は事前に中性洗剤で洗浄するようだ。
そこまでしなくとも、サーフェイサー処理するか、ラッカー塗料で下地色を作ってから始めた方が定着は良い気がする。
今回はサーフェイサー処理(クレオス1200番、筆塗り)処理。

モールドは形成線付近に位置するヘルメットのアゴヒモのと耳の形成を少し修正した程度。アゴヒモを自作するケースもあるが、今回は無し。

頭部には胴体に差し込む位置を合わせて針金を打ってある(ピンバイス、針金、瞬間)。 塗装後に位置調整に苦労して、塗装面を触ることが極力無いようにの配慮だ。塗装時はこの針金をクリップして作業する。


Step1

いきなりブラウンを塗ってみた。今回の塗装術は、「先に極端な色を塗り、上塗りで緩和/調整」していくという手法。濃淡は後で調整するので、細かいことを気にしないで溝に沿ってブラウンを入れていく。
個人的に顔塗りをしているとき陥る一番嫌なパターンは、「塗料のせいでせっかくのモールドが行方不明になること」。モールドが見えなくなってしまうと、想像で作業を進める必要が出てきて苦労すし、せっかくのモールドの個性が失われる。
いきなりベタッと塗料を乗せちゃうとそうなりやすい気がするので、「しっかり薄め」、「筆には少量」が基本。筆がたっぷり絵の具を吸った状態だと、ボチャっと事故になりやすい。
今回はブラウンを使ったが、ブラックや、ジャーマングレーなどちょっと変わった色でもいけると思う。ジャーマングレーは面白い雰囲気が出るのでおすすめ。


Step2
ハイライトに白を塗る。
以前は白をドライブラシすることで、よりモールド確認を強めていたが、ドライブラシは、表面をガビガビにする原因と考えて中止。ブラウン同様、薄めて薄めて筆塗り。


Step3
赤み追加。文字通り「赤」。混色は一切していない。赤の位置をどこに入れるか?はなかなか難しい問題で、色々バリエーションがある。多くのモデラーがどこに赤みを入れているか?インターネットで顔の画像などをよく観察して、どこを赤くしたらどういう雰囲気になるか?を確認してみるといいだろう。
顔のサイドから首筋にかけて赤するのもいいし、化粧のように頬の頂点を赤くするのもあり。今回は、頬の下から首にかけて赤くしてみた。


Step4
「目塗り」。インターネット上で見られる色々なフィギュア塗装されたものを見ると、目塗りを省略しているケースがよく見られる。これは個人的な意見だが、「塗る前に、目はあきらめている。」ケースが多いのではないだろうか?まあ、1/35クラスだと目は塗らなくても雰囲気は出せるものだが、さほど難しは無いので、これまでやってこなかった人も一回挑戦してみてはどうだろうか。意外に簡単です。
私は筆に絵の具を乗せたら自分の爪に点を打ってみて量を確認。その勢いでフィギュアに載せる。一発で仕上げるのが理想だが、数回入れる場合もあり。
「白目」はミリテールでのディスカッションの結果、「白」を廃止。「白」に「グレー」を少し加えて濁らせてある。黒目は同系統のグレーに今回は「ロイヤルブルー」を混ぜ「碧眼」に。
今回は気持ちに余裕があったのでライトキャッチの白を中心に入れてみた。ダークカラーで「瞳孔」のほうが良かったかも。
おかまの花魁みたいで気持ち悪いが、焦らないように気持ちを落ち着けよう(^^;)

Step5
やっと「フレッシュ」。塗る面積が今までより広くなるので、どうしても筆に塗料を沢山付けてしまいがちだが、これは禁物。今回の作業で一番難しい作業だと思って心してかかった方が良い。
フレッシュは、下地が透けて見えないと今までの作業が水の泡になるので、それなりに薄い方が良い。また目の周辺。口角付近のシワなど意図的に塗らない箇所を作りながら進める。
筆に塗料を乗せすぎるのはくれぐれも禁物。薄めたフレッシュが目に流れ込むことだけは避けたい。筆の角度を調整しながらモールドの高いところ中心に載せていくと目の周りも難しくはないはず。
ここまでは目の一部など特殊な部分を除いて混色はしていない。

これは余談だが、私は右利きのためどうしても右目が上手く塗れない。どうやら筆が右から伸びるため、右目は鼻が邪魔になって上手く塗れないのが原因のようだ。
フィギュアを逆さまにすればいいのだが、どうも顔らしく見えなくなって雰囲気を捕まえられないんだよなー。


Step6
フレッシュを塗り重ねる。様々なフレッシュを塗り重ねる。「あまり薄めないもの」、「極めて薄くしたもの」「白を加えたもの」などを使いながら、極端すぎる下地色を調整していく。
もちろん極端な色もあって良いので、必ずフレッシュで覆う必要はない。下地のブラウンや、レッドをそのまま見せる箇所があっても良いと思う。



Step7
微調整。極めて薄く溶いた「白」「ブラウン」「フレッシュ」「ピンク」あるいはこれらの混色で微調整してみた。
モールドが見えなくなって不満な箇所に手を入れた。
極めて薄く溶いた塗料は、当然、色がほとんど付かず、筆に吸わせすぎる傾向があるので注意。台無しにしないように慎重に。
一応の完成である。
ちなみに、かなりしっかりした耳が見えるが、このヘッドに、こういうモールドはない。最初に載せたブラウンと階調フレッシュでそう見えるだけだ。
左眉を吊り上げたような感じに見えるのは最初の段階でそういうモールドを感じてしい、ブラウンでシャドーを入れたから、その雰囲気を最後まで引っ張ってしまった。無視していればこういう表情にはならなかっただろう。
眉は、個人的には西洋人の場合、そんなに強く入れる必要はないのでは?と言う気がする。今回は、カーキにグレーを混ぜて、ブロンド風に。眉を描くのは、大変難しいので「シャドー」や「赤み」同様、事前に処理しておき、フレッシュを塗り残すのが良策かもしれない。

アゴヒモはブラックで塗装後、「劣化」感を出すため。グレーやブラウンで、これまた上から処理。
顔のアゴヒモ付近は初めからシャドーのブラウンで処理済み。肌と革ベルトの境目が唐突にならないように注意している。
顔を今回のように複雑に塗って、アゴヒモを単色処理したりすると、「かなり浮く」ので注意。


ヘルメットを接着後塗装して出来上がり。
ヘルメットを塗ろうと思ったら、手元にフィールドグレイが無い!!さすが、出戻り後初のドイツ兵。
旧ドイツ軍ヘルメットカラーには、かなりの揺らぎがあるので、特定の色にこだわる必要はない。オリーブドラブの明度上げにミディアムグレイを使って作ってみた。
ヘルメットのちょっとしたシャドーや、ウェザリングは胴体固定後にしたいと思う。

結構良い雰囲気に出来たので嬉しいぞ!気分も良い!!

ご感想、ご質問はいつでも受けているので気軽にどうぞ。

次回は、旧ドイツ軍、武装親衛隊の迷彩衣料を塗る!!

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顔塗り!!その1(とほほ、塗料編)

今回は同時進行で2体作成している。
おかげであることが出来た。

いつも、「顔塗りの解説をしたいなー。」などと思っており、今回もそんな気分になった。

ところがいつもと同じように、写真をろくに撮らないまま一体目の顔塗り完了~~!!

「あー、いかんいかん。」いつも、顔塗りのプロセスを写真に撮りたいと思うのだが、いったんフィギュアの顔に向かってしまうと、集中して、写真撮るの忘れちゃうんだよね。
でも、今回はもう一つ顔があるのだ!



写真を忘れないように撮るぞ!!

とその前に、ざっとあらまし。

私は以前、完全に「エナメルカラー」を使って顔塗りをしていた。
しかし、どうしても私の塗り方との相性が悪いのか、かなり薄く溶いて使っているつもりでも、塗膜のムラの関係で、ガビガビになってしまうという悩みがあり、ミリテールフォーラムなどでもいろいろディスカスしたのだが、紆余曲折を経て、結局「アクリルカラーを使おう!」という結論に達した。

ちなみに、現在使っているのは「タミヤカラーアクリル」を使用時の状況に合わせ、「精製水」、「溶剤」、「リターダー」を使って薄める。という方法である。

一番頻度が高いのは、「精製水」で薄める方法。塗料の伸びが良くなり、乾燥が若干長くなる傾向にある。同時に、非常にマット(つや消し)に仕上がる。という特徴がある。
この方法の一番気に入っている部分は、パレット上に多めに集まっていると乾燥しにくいが、塗装して、塗膜として薄くのばされてしまうと、普通に乾いてくれ、作業効率が下がらない点。

タミヤでは塗装の際に水で薄めることは、勧めていないが、「塗料のビンに水を入れる」などという無茶なことをしなければおおよそOK。使用感も上々である。
ただし、感覚的にだが、若干塗膜が弱くなる気がするので、車両などではこの手法は使わないつもり。

次は、「溶剤」スタンダードな薄め方だが、私の手が遅いからか「溶剤の乾燥」は早く、出した塗料がたちまち使えなくなるので、ほとんどやらない。未乾燥状態で手を入れたり、半乾きの塗料を筆に撮ったりすると、せっかくの塗装が粉々に崩れるのも嫌いな点。
「溶剤」+「精製水」もたまに試す。やや、堅めの塗料を使う場合、このやり方の方が「塗料のキメ」が整う感じがする。

最近試しているのが、「リターダー」を使う方法。リターダーを加えると、確かに乾燥時間を大幅に
伸ばすことが出来て、確かに便利。


タミヤでは10%まで可用してよいとしている。
たしかに「塗料の伸び」は向上する感じがするが、全体的に「モッタリ」とした感じになる。
また、リターダーの溶剤としての効果は普通溶剤よりも強いようで、アクリル固有の「下塗りした塗膜を壊しにくい」という特徴が台無しになる可能性がある。
調子に乗って、リターダーのみで薄めると、「モッタリし続け」、「下地を破壊する可能性を増やし」、「塗装後いつまでも乾燥しない」と良いことがない。あくまでも、溶剤で適当に薄め、その上でリターダーをつかって時間延長をはかるのが正しい気がする。

ちなみに、リターダー自体がラッカー溶剤のような特性が強いためか、「精製水」との相性は今ひとつ。精製水で薄めたものの延長をはかりたいのなら、リターダーの使用は少なめに抑えるのがいい。

なんで、こんなアクリルカラーの説明をしているのか?というと、顔塗りを説明するに当たって、「使用している塗料」、「塗料に沿った技法」というのが、当然重要になってくるからである。

正直言って、私の顔塗り技術は、それほど高度なものではない。
「この程度の技法紹介するなよ!」って言われたらそれで終わりで、恥ずかしい思いをするのかも知れない。
でも、超絶顔塗り技法について、細かく説明してくれている、サイト、ブログなどは意外と少なく、私も出戻ってから色々調べたが、なかなか登場しないのが正直なところだ。
今回紹介する技法は、それほど高度なものではないが、それでも、「役に立った。」と言ってもらえたらとても嬉しい。

現在の、私の手法は、あくまでも「タミヤアクリルカラー」を主としたもので、同じアクリルカラーである「クレオス水性」や、「ファレホ」といったモデルカラー。「アクリルガッシュ」のような絵の具を使った場合、似たような効果になると思うが、同一とは言えないことを理解して欲しい。

出戻って、塗ってみて感じたことは、インターネットや本で得られる情報というのは、やっぱり「情報に過ぎない」ということだ。
どんな塗料を使っても、どんな技法を用いても、マニュアルに書いてあることをそのまま実行することは不可能だと思う。
今回私が紹介する方法も、一つの情報だと思って、試してもらえたら嬉しい。どんな塗料も、技法も、「自分に合う」方法を試行錯誤しながら見つけ出すのが重要だと思う。
かく言う私も、今回の技法を、色々な試行錯誤の中から導き出したものだし、今後も変わっていく可能性が高い。
いや、将来、「あのときはこんな風に書いたけど、現在はこういう技法を使ってます。」なんて紹介したいものだ。

あー、我ながら長い文章で、困っちゃうな~。顔塗り一回目は顔塗り入れず!!
次回から、塗装プロセスを紹介するお顔はこちら。

フィギュア作成の達人には、「インジェクションは、、」とバカにする人もいるが、私はそうは思わないぞ。

オマケに過去と重複するかも知れないが、ミリタリフィギュア塗り、顔塗りについて考えた塗料特性のおさらい。


ラッカー系(クレオスホビーカラー他)
非常に速乾のため、細かいフィギュア塗装にはやや向かない。
ただし、塗膜のプラへの食いつきが良いので、塗装の一番下、ベース作りには良いと思う。形成色を隠したり、発色向上のために、私もたまに利用する。
塗膜が強いので、(実際に手に持つ事が多い)大型のフィギュアではよく使われるようだ。

アクリル系(タミヤアクリル/クレオス水性ホビー/ファレホ/アクリルガッシュ)
現在一押し。匂いもきつくなく(全く無いものも)、筆も水洗いできるので便利。塗料により結構特性が違ったりするので、注意も必要。

アクリル系非溶剤系(ファレホ/アクリルガッシュ)
アクリル樹脂をベースにする絵の具。溶剤が含まれていないのが最大の特徴で、模型塗料にくらべ粘性が高いため、チューブで供給され、水彩絵の具同様、水で薄めて使う。
絵の具自体に溶剤が含まれないので、「一度乾くと、上塗りしても、下色が溶けない」のが最大魅力。
そのため、フィギュア塗装においての主要技術も「重ね塗り」ということになる。
顔料成分が多いため、乾燥後表面がざらつく。つまり、基本マット(つや消し)に仕上がる。ツヤを出すときは、つや出し剤を入れるか、トップコート処理する必要がある。
アクリルガッシュは色の種類により退光性(光で変色)あり。

アクリル系溶剤系(タミヤアクリル/クレオス水性ホビー)
上記アクリル絵の具を使いやすく溶剤で伸ばしたもの。その気になれば蓋を開けて、筆を突っ込んですぐ塗れる。ただし、溶剤を含むため、長時間筆でなでていると、下色を壊す可能性はある。
樹脂成分が多いためか、基本はグロス(ツヤ有り)。つや消し色はマット剤を含んでいる。そのため良く攪拌しなかったり、加えた溶剤の量や、塗りむらにより一部又は全部がツヤ有りになったり、ムラになったりする(これはラッカー/エナメルも同じで溶剤型の特徴だろう)。
やや、泡立ちやすい特性もあるので、攪拌時ビンを振るのは御法度。
溶剤を含むとは言え、一度固まると下色は壊れにくいので、非溶剤系同様重ね塗りが主要技術になる。
水溶性があるので、筆洗いには水が使える。

エナメル系(タミヤエナメル)
他にハンブロールなどもあるが、特質は結構違うようだ。
タミヤエナメルは、他の溶剤型と大きく変わる点はないが、乾燥が遅いためじっくりとフィギュアを塗るのに向いている。また、溶剤の力で下色を壊しやすいという特性もある。
この二つの特徴は、欠点にも見えるがうまく利用して「モデル上で混色する」という技法が使われるようだ。
下地色が完全に乾く前に色を載せ筆で色の境界を調色することで、独得の色調/グラデーションを作る事が出来る。
また、同じ溶剤系でも、ラッカー、アクリルとは質が違うため、それらの塗膜を犯すことはない。
そのため、フィギュアのみならず、車両などでも「ウォッシング」と呼ばれる技法(薄く溶いたエナメル塗料をぬり、溶剤で拭き取る。拭き取れない部分に塗料が残る。)、墨入れ(溝などに流し込む技法)、に用いられる。

ざっとこんな感じ、いずれにしても、塗料特性、自分のスタイルにあった技法を見つけ出す、編み出すのが重要だぞ!

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2012年2月25日土曜日

ちょっとフィギュア作り

ハンビー完成以前から、やや作成意欲が湧いてこないのを感じていた。

仕事はまったりとした感じだが、子供達が立て続けに、インフルエンザにウィルス性の胃腸炎となり、これらの相手をしている時間が増え、その合間に作成に向かってはいるが、自分自身の疲れなどもあり、なんだか作成意欲が湧いてこない。

エイブラムスは大まかなところを作成したりしたが、細部に入り込んでいくと、「塗装と作成の順序立て」で、ちょっと悩んでしまい手を止め、そのまま停止している。

実は、いずれ作るだろうと「トランペッター」の「ストライカーICV」とそのエッチングパーツも購入済みだが、こちらもなんだか手を出す気になれない。

「うん!私自身の本領発揮はやっぱり、フィギュアだ!」
「フィギュアを塗ったら気分も晴れて、また車両を作る気分が湧いてくるに違いない!!」

と勝手に思い込んで、フィギュア作成に取り組んでみた。

ところが、、、、。


フィギュアは手元に沢山ある以前紹介した武装親衛隊擲弾兵のフィギュアをサクッと作って、台座に乗せ、「格好いいビネットの出来上がりだー。」という風に話を終わらせたかったのだが、やっぱりそんなに簡単に話は進まない。


  まずは、パーティングライン(形成線)を消すって言うことにこだわってみたのだが、フィギュアのパーティングラインは、車両と違いどうしても「服のシワ」などのモールドに絡んでしまう。
パーティングラインにこだわりすぎると、結果的にシワモールドが不明になっていく傾向が強い。

そこで、提案なのだが、「パーティングライン消し」はほどほどにして、途中からは、「シワ形成の作り直しに向かってはどうか?」、ということだ。「シワを強化」してみたり「追加」してみたり、場合によっては「軽く」していくことによって、「結果的にパーティングラインが無くなった。」という方向に持っていくことで、より自然にラインが消え、シワも自然になる。


一通りラインが無くなったら、今度は服の継ぎ目となる部分を強化して、溝を深くしてみたり(写真上左)、装備を載せる際に、不自然にならないよう形成を整えたりした(写真上右。ここには雑嚢が取り付けられる)。

こんな、作業をしている間に、どんどん不満な箇所が見えてきた。今回登場のフィギュアの一体には初めからガスマスクケースのベルトがモールドされているのだがこのままではやや不自然に思え、修正、追加した。

マニアックすぎるが、このたるみが欲しかった。
さらに、旧ドイツ軍の荷物の多くはベルトに通したり背負ったりするだけでなく、移動時にブラブラしないようにフックをベルトに引っかける作りになっている。ので、追加。


黄色は雑嚢の中央から伸びるフック(形成済み)。青はサスペンダーのフック(形成済み)だが、ガスマスクケースの下から伸びるフックがないので、プラ片を貼り付けた。

ついでに説明すると、水筒、飯盒も、それぞれ、ベルトを雑嚢上のリング、雑嚢下のベルトを通すので、左右に曲がることがあまりありません。

さらに紙やら何やらでいろいろ追加。
Kar98kの「スリングベルトは、これまでよりリアルにしたいな~」などと思い立ち、奇妙な作業を始めてしまった。

0.3mm真鍮線を丸めて~、つぶして~、コピー紙製のベルトを通す!(写真の筆はタミヤ面相000です!)
うーん、ちょっと大きかったかなー。

紙のベルト類も、ちょっと幅取りに失敗してまちまちだなー。


ってアホか!!

私がやりたかったことはこんな事じゃない!!ただ、サクッと作って塗装したかったんだよー(T_T)

こんな事なら、誰かに完成品を渡されて「はい、これ塗って。」とか渡された方が嬉しいなー、、、、、でもよく考えてみたら、それでも、「ここが気に入らない」とか言い始めて手を入れ始めるんだろうな~。同じだな。まあ、しょうがないかー。

ちなみに、この手のベルト類はエッチングパーツなどもあるようですが、私はほとんどの場合「紙」で作ります。紙は結構厚みがいろいろあるので、結構便利なんですよね。
わざわざ買いそろえたりせず、手元にある「宅配送り状の控え(薄)」、「コピー紙(中)」、「名刺(厚)」などを使えばただで便利。

「紙?弱いでしょう。」という人もいるかも知れないが、真鍮製のエッチングよりずっとしなやかでフィギュアにフィットするし、瞬間を使い少しずつ固めていけば、(染みこむので)厚みに影響を与えないまま、自由な形に形成でき、丈夫になります。また、この上からサーフェイサーなどを塗れば、ヤスリ掛けも出来るので大変便利ですよ!!


ま、無駄な努力の甲斐あって、このような格好いいフィギュア2体が完成しました。
小さい加工はいろいろしていますが、ポーズや、装備などは、一切いじっていません!!(変な自慢)
いじらないでサクッと作ったんです!!

次回は塗ります。

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2012年2月23日木曜日

完成 タミヤ M1025 ハンビー

タミヤ M1025 ハンビー ウェポンキャリヤー

最後に作成した、ジョセフ・アレンの階級章などが、書かれていなかったり、不十分で未完成な部分も多いが、一応の完成としたいと思う。

出戻り初作品と言うこともあり、不完全だが、おおよその「やりたいこと」は終えた気がする。
経験不足から、思い通りにならずに不満に感じる部分もかなりあり、「未完成じゃないか!」と言われれば、返す言葉がない。

しかし、個人的にはそれなりに満足している。
現代戦の雄とも言える車両で、それなりの技術も示すことが出来たし、今後の展開への指針も示せた気がする。
現代プラモデル業界では、現用車両がかなりの数登場し、結構売れているように感じるが、Webへの露出はかなり少ない。
メインに現代車両を据えて、WW II主流のミリタリーミニチュア、ジオラマの世界の人たちにそれなりの存在感を示したい気がする。
まあ、それにはもう少し腕を上げないといけないのだが、,,

初めての完成品をwebに公開するに当たって、スライドショー他いろいろな手法に挑戦している。未熟だがそちらにもそれなりに注目してもらえたらと思う。



ハンビーとは、

HMMWVは、High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicl(高機動多用途装輪車両)の略で、ケネディージープの更新用として、3社のコンペティションにより1985年より採用された車両の総称。

AMジェネラル社製で、アルミボディ、鋼鉄製のフレーム、150馬力のV8エンジンで、3車両の中最も軽量で、出力も大きかった。

後に、兵員輸送型から、対戦者ミサイルを搭載したものまで、数多くのバリエーションを生み、当然、生産台数多いため、米兵達の足として幅広く活用された。

結果的に、メディアへの露出度も高く、「ブラック ホーク ダウン」、「ハート ロッカー」など、現代戦をモチーフとした映画、映像作品には必ずと言うほど登場し、一般的に知る人も多い。

「ブラック ホーク ダウン」で描かれたソマリアでは、RPGのようなロケット弾のみならず、一般銃弾で多くの兵が命を落とし、ハンビーの装甲性能が問題視され、応急処置的な装甲の強化がなされた。

近年、米兵の死亡状況のレポートで「兵の死亡は、ハンビー乗車中が最多」と報告されたため、更に問題視され、装甲の強化などが図られたが、問題は「ハンビーの性能」ではなく、「その汎用性から、本来の目的から外れた利用が幅広くされていること。」、「簡易型の待ち伏せ爆弾による被害多発」が原因とされている。

ハンビーは「バリエーションの多さ」、「生産台数」ともに、米軍の軽車両としては最多と言え、多くの米兵にも愛されたが、現在は、待ち伏せ爆弾に対応した「MRAP」、「M-ATV」に緩やかながら移行しつつある。





Call of duty Modern Warfare2 「Team Player」

COD:MW2も現代戦をモチーフにしたゲームであるため、上記の例に漏れず、ハンビーの登場頻度は高い。

今回ジオラマにしたシーンはゲームの導入直後「Team Player」の1シーンのカットとなる。
孤立中の部隊を救出すべく、陸軍のレンジャーが出動するというシーンだ。プレイヤーは「ジョセフ・アレン上等兵」で、直前に「シェパード将軍」より、タスクフォース編入のテストを受けており、このミッションの直後に、実際に編入され特殊なミッションを受けることになる。
ゲーム中、後に死亡してしまうキャラクターなので「組織の構成員」とも読み取れるタイトルは皮肉だ。


ドライバー、助手席、後部席のキャラクター達のフィギュアは、ゲーム中のキャラクター達をよく観察して、極力似せてある。後部座席のイブライム伍長、助手席のダン伍長は装備もかなり近く、出来上がり所持しているプライマリ武器も同様だが、完成品においてはほとんど見えない!!
走るアレン上等兵は、プレイヤーキャラクターのため、ゲーム中で見ることが出来ないので付近の兵士たちの標準的な装備を元に空想で作成した。(ただし、ゲーム同様「グレネードランチャー付きM4(ホログラフィックサイト)」と「ベレッタ」を所持しているのはこだわりだ。)

もともとフィギュア作りは好きな方だが、この4体の作成は大変楽しかった。


Call of duty Modern Warfare2 「Team Player」におけるハンビー

ゲーム中のハンビーはいくつかのバリエーションがあるが、このシーンにおけるハンビーの最大の特徴と言えるのは、ミニガンが装備されている点。大きなバンパーが装備されている点、また、米軍にありがちな、後部に荷物がぎっしり搭載されている点。ジオラマでも表現してみた。

ミニガンは、レジェンド製のレジンキットを使用。バンパーはプラ板で自作した。
荷物類の多くはエポキシパテによる自作。

ミニガンを装備しているハンビーは実際に存在しその画像をWikipediaなどでもみることができるが、バンパーについてはゲーム中のものとは大きく違う。
Wikipediaで見られる車両、同様の大型バンパーはレジンキットなどで入手することも可能だが、今回はゲーム中に似せて自作。
より似せるためにシートなどにレジェンドのレジンキットを使う方法もあったかも知れない(タミヤの古いハンビーと現在のハンビーは内装が大きく違う。)。

実際、「ゲーム中の車両に似せる」「実車に似せる」という作業を同時進行で考えることはなかなか難しい作業であった。
また、ソフトスキンと言うこともあり、完成後ほとんど見えない箇所に、かなり手を入れなければならないのも、大変な作業だった。
「ゲーム中」「実車」のバランスは作成、塗装前に充分に計画すべきであった。




今回の作品について

出戻り一作目と言うこともあり「うまくいかない」「不満」な点も多いが、おおよそ思い通りの事が出来た気がする。
現代の模型やジオラマ作成技術の主力は、チッピングと呼ばれる「はげた塗装」感の表現となるが、実は私自身あまり体験したことのない技術。40代の私が出戻る以前のウェザリングの主力はドライブラシによる「汚れ感」だった。
個人的には、ドライブラシによって作られる「偶然性の強い汚れ」、と筆で緻密に書き込んでいく「恣意的汚れ」の混在を目指していきたいと思っている
不満点は、今後の作品に生かしていきたい。
同作風の作品、期待の方は、是非、自作アンケートに発言を!




こちらは「Picasa」作成の、直接スライドショー。ポインティング写真の選択が可能です。

Team Player
こちらは「Picasa」webアルバムによるアルバムセット。写真をじっくり見たい人向け。




最後はyoutube動画です。画質は上二つより劣るかも知れませんが、最大の魅力はBGM付きで、盛り上がることが出来る点!!容量の関係で曲をバッサリやったら先に終わっちゃってます。勉強の余地有りですね。

いやー、写真は結構適当ですが、上記のファイルを作るのは結構大変でした。
これらの作成方法に関するお問い合わせも、同様ですので気軽にコメントを頂けたらと思います。

では、また。

ps.

最後になりますが、私は、完成した自分の作品に特に執着はございません。「本作品が、どうしても欲しい。」と言う方には、お手元に届ける方法など、いろいろ、超えないといけないハードルはありますが、その辺を調整できましたら、お譲りいたします。
直接連絡されたい方は、こちらのフォームよりご連絡ください。

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