2012年2月7日火曜日

筆ムラとエアブラシについて

塗装について、 「どういう風に語ったら、 初心者に理解しやすいのかなー」 なんて、 考えている内 「まずは 道具について語る必要があるのかなー 」などという、 考えに達した。

しかし、 塗装に使われる道具なんて そんなたいしたものは無い。 「筆」と「塗料」、 あとは追加で「エアブラシ」か? 。 そんなもんである。
そういえば、私が出戻って、いろんな調査をしているとき、「初めてプラモデルを作ろうと思うのだが、エアブラシは必要?」みたいな質問を見つけたこともあったっけなー。

というわけで、塗装編の1回目としてこの、「筆塗り」、「エアブラシ」について考えてみた。

私は現在、下のタミヤのセットを所有しているが、出戻り以前、小学生、中学生時代、プラモデルを作っていた時は、持っておらず。中学の修学旅行かなんかのとき、旅行先でお小遣いを使わずに、そのお金を持って、模型屋に行った記憶がある。
エアブラシ本体で、この調子だから、当然コンプレッサーなんて買えるわけもなく、缶で対応だ。
あのエアブラシが持っている能力分の活躍をしてくれたのかどうかは疑問だなー。

タミヤのエアブラシセット、初めての購入ならやっぱりセットが得
というわけで、私の長い模型人生の中で、まともなエアブラシ、コンプレッサーを所有したのは今が初めてで、かつ、現在も「エアブラシが大活躍中だ。」とは、言い難い。
エアブラシは、確かに「独得の個性を持った面白い筆」ということができるが、決して万能ではない。
「スプレー代わりに・・・」という発想の人もいると思うが、缶スプレーなら吹き付ければそれで終わりだが、エアブラシは、その後必ず、「掃除」という結構手間のかかる作業が発生するため気軽さがない。

「ちょっとの筆ムラも嫌なので完全に仕上げたい!」と思っても、エアブラシのみで仕上げられる模型はないはず。一作品当たり、1~2本程度の缶スプレーを買う程度の資金力があれば、個人的には、「缶スプレーでも十分対応できるじゃないか!」と思う。


というわけで、もし私が初心者に「エアブラシを買うべき?」と問われたら。

「無いよりはあった方が便利だから、資金が潤沢にあるなら、買っても良いかも。」程度の回答だと思う。
「まじめに模型に向かって、何作も作り、どんどんうまくなりたいと思うなら、最初はエアブラシなんか買わずに、筆塗りでがんばるのが正解だよ!」と付け加えるだろう。

「エアブラシ」は確かに便利で面白い道具ではあるが、模型を作るならまず基本となる「筆塗り」の技量アップが基本になるだろう。筆塗りの世界はとっても奥が深いからね
筆塗りで、散々一連の作業し、それで、不満が出てきたとき、新しい、次の次元に向かうとき活躍してくれるのが、エアブラシなのではないか?と個人的は思う。

私の考えるエアブラシの購入動機としてとして適切と思われるのは以下の2点。

  • 作業効率を上げたい。
エアブラシは確かに、筆のようなムラが発生しにくい。その気になったら結構な厚塗り処理もできる。そのため、筆の場合(後述するが)「何度も塗り重ねて修正する」作業が無くなり制作上の効率がUPするのは確か。効率と美しさを同時に手に入れられる利点は大きい。
  • エアブラシにしかできない効果を使いたい。
エアブラシが、塗料を乗せる手法は筆とは全く違う。そのため、「筆で出すことが難しい効果」というのも当然ある。筆でも達人になると、「エアブラシ?」と思わせる効果を出せる人もいるが、エアブラシ固有の効果を出して見たい人、その効果を使いこなしたい一にとっては最強のツールになると思う。
私もエアブラシの代表的な効果である。「シェーディング」に次作で挑戦したいと思っている。


あまりうまくも無いが、「筆塗りでもこれっくらいできる」例。エンジンから前後に排出されるエギゾーストパイプに、ドライブラシで処理。
使っているのはタミヤアクリルカラーで、「チタンシルバー」「フラットブラウン」「フラットブラック」の三色のみ。濃淡は、塗料の希釈濃度と、筆へ付ける量で調整できる。


さて、
じゃ、なんで、みんなが、エアブラシをそんなに欲しがるのか考えると、やっぱりバイクや車、あるいはガンダムなんかを作った際の、「「筆ムラ」が嫌だからじゃないのか?」というのが私の結論。

で、
みんな嫌いな、そして筆を使う限り付きものの「筆ムラを無くすには?」と言う話が今回の本題になる。

考えられる「筆ムラ」を2つに大別してみた。一つは「色ムラ」。もう一つは「筆ムラ」である。図も作ってみた。
まず。色ムラであるが、筆で塗った場合塗装面はどうがんばっても、完全な均一にならない。
より均一に仕上げるためには、「塗料をできるだけ薄くして塗る」ことになる。薄くすれば乾燥していく間に、筆によるムラが均一化して筆による段差が失われやすい。
しかし、塗料を薄くすると、色自体も薄くなるので、パーツの色あるいは、下地色を隠蔽する能力が低下する。
白や黄色などの明るい色ほどこの傾向は顕著で、これを無くすために筆を使い続けると、乾燥が進むにつれ、表面が荒れていくことになる。
いつまでも色ムラにつきあうのは禁物だ。筆によって表面を均一にするのには限界があるので、ここは割り切って、「塗り重ねで隠していけばいい」と割り切るのが正解だと思う。

もう一つは本当の筆ムラ。これは下地色は完全に隠蔽されたが、筆で履いた後が残ってしまうために起こる。これもだらだらと筆を使っていると大変起こりやすい。

「筆ムラ」「色ムラ」ともに、その作業で一気に解決しようとするとろくな事は無いので、いったん作業を終了し、良く乾燥後に、「次の作業で解消していこう。」という余裕が必要である。

ちなみに、一発でこれらを軽減する手法に、「厚めにボッテリと塗料を乗せる」という方法がある。この方法は、塗料に厚みがあるので、色ムラも出にくく、乾燥が遅くなるため、筆ムラも起こりにくい。
しかし、個人的にはこの方法はお勧めしない。
厚く塗った塗料は、重力に引っ張られやすく、最終的にものすごい厚みの部分が出来てしまう。
また、乾燥が遅く作業が停滞し、塗料の種類によっては、完全乾燥後も塗膜が弱く、「塗料のより」などにより、指紋など作業後が大変出やすくなってしまう。

薄塗りと、乾燥を繰り返して最終段階にじわじわと向かうのが、正解だろう。
「色ムラ」は塗り重ねによって解消できるし、筆ムラも、あまりひどくないならトップコートにスプレーを用いることで、かなり隠すことが可能だ。

筆で塗る限り、大小の差は有れ「筆ムラ」からは逃れられない。

どうしても筆ムラは出来てしまうものなのだ。
ならばそれとじっくりつきあって、自分なりの解消法を見つけるのは楽しい作業だと思う。

かなり長きにわたっておつきあい頂ありがとう。
おおよそ言いたいことは書いたつもりだが、書きこぼれも多かろう。集中連載としたが、今後は普通に作成記事を書きながら、思いついたままに、初心者向きの記事を加えていきたいと思う。
私の作品を見て「いいな!」と思ってくれた方は、「どういう技法を使ったのか?」「実際にどうやるのか?」を気軽に質問してくれたらうれしい。

レスポンスいつでも待っているので書き込んでください。
今回はこれにて。




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