2012年6月9日土曜日

レビュー パンダホビー 1/35 M-ATV MRAP



簡単なキットレビューをしたいと思うが、その前に、プラモ事情の話。

昔っから、「若いときは時間があるがお金がない。大人になるとお金は出来るが時間がない。」と言われる。まさにその通りで、プラモデルくらい自由に買うお金には不自由しないものの、作る時間が取れないのが実情だ。

とは言っても、プラモデルを片っ端から買うほど、潤沢に資金があるわけではない。学生の諸氏から比べれば多少余裕はあっても、無駄遣いは禁物の昨今。自分が作る模型のペースなども考えながら購入対象は吟味したいと思っている。
出来ることなら、箱が山積みになっているなっているような状況は避けたい。

しかし、タミヤの現行商品のように常に手に入りやすい模型ばかりではない。
今の市場の動向を見ると、海外の新製品は、登場時に大量入荷、その後品切れを繰り返しながら定期的に入荷され、人気の下降と共に入荷は難しくなっていく。
なんとなく「今購入しないと今後出会える機会は無いのでは?」みたいな不安感に常に襲われてしまうのだ。

タミヤのスポット再販も同様で、一回品切れになれば、次の再販時まで入手が難しくなるので、「作りたい!」と思うと、現行の作成キューが並んでいても、つい手が出てしまう。
モデラーの悲しい性と言える。

と言うわけで今回購入したのも、「現用をメインに据えるモデラーとして是非作ってみたい!」と思った

パンダホビー 1/35 M-ATV MRAP 対地雷装甲機動車

である。


ちなみに私が購入したのはパンダホビーであるが、「M-ATV」に「キネティック」に競合製品がある。



キネティック 1/35 M-ATV 米陸軍 全地形対応対地雷軽装甲機動車


「パンダホビー」と「キネティック」製品の違いは、私も両製品を比べたわけではないので、何とも言えないが、エッチングを大量投入してリアル指向の、「パンダ」に対し、極力エッチングなどを廃し、「プラモデルを作る」というイメージの「キネティック」。どちらも魅力的だ。

結果的にサードパーティーのエッチングパーツは「キネティック用」が多くそういったものを絡ませて作ってみるのも楽しそうだ。


「パンダホビー」について

今回の「M-ATV」が第一弾となる中国の新興メーカー。詳細は全く不明だが、、、、ま、どうでもいいか!?
パンダホビーの名の通り箱絵も、白黒に実車イラストという非常にシンプルなもの。
どことなく、AFV Clubを彷彿とさせるが、こちらはさらにシンプルなイメージ。
箱は、上箱、下箱ともに折り返しのある組立箱という丁寧仕様。
全体的に「リアル指向」「丁寧な製品」というイメージを伺わせる。




「M-ATV」について

M-ATVは正式には Oshkosh M-ATV。 オシュコシュM-ATVはまだ、米軍の正式番号すらもらっていない車両ではあるが、事実上のハンビーの後継車両といって良いだろう。

M-ATVの話をするとき、どうしても避けられないのがMRAP(エムラップ)の話。エムラップは米軍の策定した規格「Mine Resistant Ambush Protected 」。
地雷や待ち伏せ爆弾に対する耐性規格だ。

現状の米軍車両に対する最大の驚異であり、従来型であるハンビーの最大の欠点といえる待ち伏せ爆弾。
小型の対人地雷などと違い、破壊対象の幅は広い。廃棄された、対戦車弾などを利用して作成されるために、製造コストは安いが、破壊力は無差別的であり、また大きい。この「待ち伏せ爆弾に耐性を持った車両でないと今後は困るぞ!」という規格がMRAPである。

詳細は、書かないので興味がある人は調べて欲しいと思うが、結局のところ、これまで米軍は、軽車両において、あまりにも便利な「ハンビー」という車両に頼りすぎ、ハンビーを改良し続け、あらゆるタイプを生んできたが、それが限界に来ていることを、認めたという感じ。

ハンビーは優れた車両で、便利であったが、本来の目的以外に使い回されたため、装甲性能の不備が変な形で強調され、メディアにも報道されたため、早急に変えざるを得なかった。
そのため、mrapの規格を策定したものの、その規格も完全でないまま、ハンビーを次々と更新しているのが現状のようだ。

この車両もそういう意味では、後に大きな変更になる車両なのかも知れないが、現状では、かなり支持されているようで、米軍のアフガニスタン現地写真などを見ると、mrap車両としては、圧倒的にこの「M-ATV」と「MaxxPro」の画像が多い。

アメリカの著名人と共に、、「このジープ、でかっ」

キットについて

やっとキットにたどり着いたぞ。
オリジナルの写真をいくつか。

 まずは、タイヤ。
単純なモールドでなく、空気圧の雰囲気まで表現されているタイプ。ストライカーICVのタイヤもAFVクラブのヤツは、こんな感じだった。大変リアルでgood






個人的に大変感心したのはインジェクションのピン痕が「無い」または、「上手く逃がしてある」こと。
上段写真はドアーだが、表裏共にピン痕無し。
中段は、ガンナーのルーフだが、ピン痕を上手く逃がすため、小さなランナーを追加して、ここにピン痕を乗せてある。
下段はリアフェンダー。このように「万が一でも裏が見える可能性がある」部分はピン痕を逃がす工夫がなされている。



こちらの写真はMRAP固有のアンダーガード。
この部分は、車体側に面するため。ほとんど見えない。表面にピン痕は全く無く、裏側にピン痕が見られるが、その量は微少。目立たない。
ま、ここは完成後全く見えない部分ですから、問題有りません。



こちらは、同梱されているデカールとエッチングパーツ。
エッチングの量は多い。この意義があるかどうかは、今後組み立ててみないと解らないなー

で、最後に説明書、「ユーザーズマニュアル」ってかいてますね。



かなり緻密でパーツ数も多いので説明書も細かいです。24ページモノクローム本。
かなり細かいですが、説明はシンプル。場合によってはどこに接着すべきか?エッチングの組立方など、迷うケースもありそう。

一番驚いたのは、、、、、、、

実はこの説明書、塗装説明が一切無いんです。
こんな説明書初めて見ました。
普通なら、海外のメーカーといえど、「クレオス何番」みたいな指示がされていますが、一切ありません。

実際のところインターネットやら資料本やらこういう部分には全く困らないのですが、指示されないのも不思議な感じです。
プラモデルの塗装指示は、そのメーカー固有の解釈があって大変楽しいのですが、、、、


総括としては、まだ、全く組んでいないのでなんともいえない部分も多いのですが、「すごいですパンダ」。

まあ、そこそこにバリもあり、説明書も適当な部分有り、の微妙な部分も有りますが、どこよりも早くモデルナンバー無しの新型車両をモデル化。
ピン痕無し、大量エッチング。基本的に言うことありません。考えられてます。

このスタイルの模型で、「パーツが全然合わない!」、「めちゃくちゃ歪んでる!!」なんてことは考えられないので、まだ作ってませんが素晴らしいキットに違い有りません。

パンダホビーはどちらかというと「リアル路線」、ドラゴンのような、「エッチングでもなんでもいいからガンガン使ってリアルなキットを作るぞ」という方針に感じられます。

ただし、模型の真価は「作ってなんぼ」でしょう!自分で手を入れてからまたレビューしたいと思います。!!
まだ、制作開始の予定はありませんが、じわじわ作りながらお伝えしたいです。


ではまた。


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1 件のコメント:

  1. はじめまして。私もこのMRAPのキットを購入しました。アマゾンで買ったので、まだ手元に届いていませんが、こちらのサイトを読んでいろいろ分かって勉強になりました。
    私も頑張って作りますのでよろしくお願いします。

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