彼は、以前からブログで、「伸ばしランナーが苦手!」と発言している。
まあ、実際には「苦手」と言うより、「苦手意識」と言うところだと思う。
そこで、彼の作成をサポートすべく、伸ばしランナーについて言及したいと思う。
とそのまえに、
これまたブログ模型仲間の麦イチゴ氏の「麦イチゴのプラモ部のこちらの記事」でも同じ記事を受けて伸ばしランナーの解説をしていらっしゃいます。
シンプルな解説ですが、伸ばしランナーが苦手な人には、すぐに自分の技術を改善できる良い説明だと思います。
さて、私の方は、、、いつもながらの長文です。(^^;)
まず、「伸ばしランナー」そのものについての話。
私が10代の頃、伸ばしランナーはプラモデルの主要技術だったように思う。
最近は、アンテナや細いパーツにはエッチングや、真鍮線などを使う例が増えていて、伸ばしランナーを使う機会は以前より減少している気がする。
それでも、伸ばしランナーは結構重要な技術のような気がする。
伸ばしランナーには真鍮線では作成できない伸縮形アンテナのような「先端にいくほど細くなる線」を作成することが出来、経験によっては線の細さも自由自在である。
真鍮線と伸ばしランナーの特徴を簡単にまとめてみた。
真鍮線
- 強度が高い。
- 堅く、加工が大変。
- 曲げると形状が維持される。
- 太さに変化を加えるのが難しい。
伸ばしランナー
- 強度が低い。
- 加工しやすい。
- 曲げると強度は極端に低下。
- 加工次第で太さに変化を加えられる。
私が10代の頃は、エッチングや真鍮線を使う機会はほとんど無く、(記憶違いかも知れないが)プラモデルの説明書にも「アンテナは伸ばしランナーを使う」と指示されたものもあったような気がする。
では、伸ばしランナーの作り方を。
最初に言っておきたいことは、伸ばしランナーは基本的に「タダ」だ!という事。
材料はプラモデルの「ランナー」を適当な長さに切り出したものなので、プラモデルを作る人なら基本的にタダで手に入る。
つまり、「いくらでも作る事が出来る。」ということ。
失敗を気にしないで、満足いくまで作り続ければ、ここにある解説なんか読まなくても、どんどん上手くなるはずだ。
伸ばしランナー作りに技術はない。ランナーを熱して引っ張るだけ。だが、経験から得られた「コツ」はいくつかあるので、紹介したいと思う。
- ランナーを熱しすぎない。
伸ばしランナーの最大のコツは「熱」だと思う。火を近づけすぎると、ランナーに焦げ目が付いたりして、プラ自体が変質し、強度がかなり劣化する。
時間を掛けてゆっくる暖めるつもりで、火は離した方が良い。
温度によって出来上がる線の太さが変わる。低温で引っ張ると太くなるし、高温だと細くなる。また、ランナーや火を動かしながら幅広く、均一に熱することが出来れば同じ太さのものが結構長く取り出すことが出来る。 - 力任せに引っ張らない。
麦イチゴ氏が書いている通り、ランナーを熱し終えて、あせって力任せに引っ張るのが失敗の原因。
熱くなったランナーは、そんなに急激に冷えるわけではない。あせらなくても良いのだ。
温度を見、力加減を調整しながら引っ張ると、ねらった安定した太さのものが取り出せる。
この辺は経験のたまもので、「どれくらい待って、どれくらいの強さで引っ張ると、どれくらいの太さの線が出来るか?」というのが解ってくると思う。
と言うわけで、伸ばしランナー作りは簡単である。タダなのでバンバン作ろう!
で、これで終わると多くの人に役に立たないので、スペシャルtip。
伸ばしランナーは一回プラを溶かしてから伸ばして作るわけだが、細くなっても意外と「最初の形状が維持される。」という特徴がある。
わかりやすく言うとランナーのような「丸棒」を伸ばすと丸の細長い線が、タミヤのプラ棒、角棒のようなもので伸ばしランナーを作ると「四角」の細い線が出来上がるのだ。
この特長を生かして、、、、、
まず、ランナーをおおよそ六角形に切り出す。かなり適当ではある。精度高く六角形に出来れば理想的だが、出来上がりはかなりちっちゃいので、細かいことは気にしない。
これを伸ばす!!作業は完全に伸ばしランナーと同じ。火を近づけすぎてドロドロにしてしまうと、形状が崩れるので注意。
これを、カットしていきなり接着。
いきなり接着した理由は、ボルトサイズに切ってからだと、小さすぎるパーツとなり、接着作業が大変だから。ボルト大に切り出すのは接着後にヤスリやナイフを振るえない、細かい場所に接着する場合だけ。
接着後のスペースがあるなら、先に接着してしまった方が楽だ。
とまあ、こんな感じで、ボルトを表現することも可能だ。
今回作成中のストライカーICVのインテリアキットも、もともとなのか作業中になのか不明だが、いくつかのボルト表現が破壊されており、修正してみた。
壊れていたのはコマンダーシートのフレーム後部、左写真は「右の上から4番目のボルト」
右写真はフロア中央部、ちょっと目立つボルトがそれだ。
さて、伸ばしランナーと応用編。楽しんでもらえただろうか?
ストライカーは遅くはあるが着々と進んでいる。
次回は、進捗をレポートしたいが、レジン、エッチングはいちいち加工に手間がかかり大変だー。
ほぼ完成に近い内装ショットだ! |
まあ、本体の作成は全然手が入っておらず、インテリアパーツのない部分のディテールアップなどもあるので、まだまだ時間はかかりそうです。頑張ります!
次回は、ストライカーICVインテリアの、いろんな詳細解説をします。
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凄いですね・・・
返信削除金ぴかのレジンだらけ・・・塗装が勿体ないですね。
ボルトの移植、最高です!(笑)
頑張ってください。
ツィメリットのスタンプです。
http://blogs.yahoo.co.jp/tomoya_awata/8187458.html
コメントありがとうございます。「塗装がもったいない」なんて言わないでください。
削除塗装段階へのプレッシャーです。
伸ばしランナー、楽しんでもらって嬉しいです。
あと、ツェンメリット・コーティング・ローラー、過去記事があったんですね、いつもチェックしているつもりだったのですが、、、フォローしてませんでした。ごめんなさい。
インテリア凄いですね!まさにもうこれは男のロマンというかなんというか(笑)
返信削除細かい作業をもろともせず・・・その集中力を分けていただきたいです。
伸ばしランナーですが、ライターを使うということでいままで敬遠してきましたが
ボルトとかリベットの表現には良さそうですねー
コメントありがとうございます。
削除「プラ」「レジン」「金属」素材も色々なため、接着にも気を遣いますが、思い通りにならない部分も多いですね。
伸ばしランナーも楽しんでもらえて良かったです。
伸ばしランナーは、目的でなく、手法に過ぎないので、活用方法は、作り手次第です。面白い利用法を見つけて、そのケースに合わせて活用してみてください。
遅くなりました。申し訳ありません。
返信削除なるほど~。私はいつもランナーを熱したあと”焦って”引っ張っていました(笑)
原因がわかりました( ´∀`)
伸ばしランナーの応用というのも、まさかボルト作りに使えるなんて考えてもみませんでした。
特に現用AFVキットに使えそうです。
詳しいご説明、本当にいつもありがとうございます。
コメントありがとうございます。
削除まあ、こういう作業はコツが分かってしまえば、意外と簡単にできるモンです。苦手意識を克服して挑戦してくださいね。
ストライカーのボルトは、もしかしたら作業中に私が壊しちゃったものかも知れません。言うなれば自分の失敗のフォローとも言えます。
プラは加工がしやすいので、大抵の失敗は何とかなっちゃうんですよね。
まあ、フルスクラッチという作業もあるくらいですからね。
どっかで思い出して、使ってもらえたら嬉しいです。
すいません、一つだけ。
返信削除ランナーはメーカーによってかなり品質に差があります。というより伸ばしランナーを作るのに適したモノとそうでない作りづらいモノがあります。
ランナーの品質ではなくキットのプラの品質の違いが大きく影響するというコトですな。
コメントありがとうございます。
削除トランペッターのストライカーICVのレビューで書きましたが、一口にプラモデルといっても、プラ素材はメーカーによって結構な違いがあるように感じますね。
実は、このブログでは無報告で子供向けにガンダムのプラモデルを作成してみたのですが、バンダイの着色プラは、ものすごい柔らかさで、伸ばしランナーなどの熱を加えた処理には全く向かない印象です。
いずれにして、ランナーは沢山入手出来るもので(どちらかというとゴミの部類なので、)、素材も色々、作成者の経験と感覚で、かなりの部分は解決出来るのではないでしょうか?