2011年12月14日水曜日

パテについて1 (修復、穴埋め向きパテ)

せっかくだから、パテの話題を総括しておこうと思う。
主に初心者向けの記事となるので、知っている人は読み飛ばしてください。

まず、「パテとはなんぞや」という話だが、化学反応や感想により堅くなる物で、模型業界では、穴埋めに使ったり、物体そのものを形成するために使われる。用途により種類は本当に沢山あり、特徴も違うので、自分の使用目的を明確にしてそろえよう。

パテは、本当に色々な種類がある。

主に穴埋めや修復用に使われるパテ

  • ラッカー系パテ
  • ポリエステル系パテ
  • 光硬化パテ

主に造形作成に使われるパテ

  • エポキシパテ

上記に分けられる主な理由は、形成前の堅さの性質によるもの。
修復向けのパテは比較的ゆるい。流動性の高い物が多く、結構細い穴に長く詰め込むことが出来る。軟膏位の堅さを想像してもらうと良い。
これに対して、造形向きのエポキシパテは粘土ぐらいの堅さがあるので、形を作り、それを修正したりしていくのに大変向いている。

では、順番に紹介しよう。

ラッカー系パテ
一番代表的なのがこちら、タミヤパテ(ベーシックタイプ)

ラッカーパテは絞り出して付けたいところに手軽に使えるのが魅力。昔から有る。
固まる理由は、有機溶剤の揮発、つまり乾燥による凝固。
乾燥によって固まるパテは皆そうなのだが、揮発した溶剤の分だけ「肉やせ」するのが大きな欠点となる。肉やせ分を想定して盛り上げるのが前提になる。
逆手に取ると、有機溶剤でいくらでも薄めてゆるくして使うことも可能。
ラッカー塗料用の溶剤で薄めることも出来るし、下写真のような初めから溶かれており、筆で塗って盛ることを前提にした商品もある。フィギュアの腕と胴体の接合部の修正には大変に向く。

硬化後は、カチカチに固まり、ラッカー溶剤にはプラスティックを溶かす特性もあるので、プラスティックにガッチリと食い込む特性がある。
そのため、プラモデルの表面の深い傷などを修復するのに大変向いている。今回紹介するパテの中では「プラスティックへの食いつき」は最高だ。逆に言うと、「失敗したから」と言ってパテ部分だけを切除するのは難しい。プラスティックの表面が溶けてパテと一体になっている場合が多い。仮にパテ部分だけ、上手に切除できても、プラの表面は荒れているので整形し直す必要がある。

安さも大きな魅力だが、どうしても有機溶剤の、揮発性の匂いが強いのが欠点。

似たような商品に、ホームセンターで売っている「木工パテ(ウッドパテ)」という物もある。
こちらも試したが、手軽に使える使用感は、ラッカーパテと同じだが、プラスティックへの食い込みが無く、硬化後も比較的柔らかかった。匂いはない。目的に応じて使い分けることが可能かと思う。


ポリエステル系パテ
代表的な物はこちら、タミヤポリエステルパテ

出戻り以前はなかったと思うなー。
ポリエステルパテは、A剤、B剤の混合による化学反応によって硬化するのが特徴。これにより、ラッカーパテの欠点と言える「肉やせ」が無い
ただし、2剤混合という手間が増えるのも事実。2剤の比率も微妙。混合が面倒な人にはラッカー系をおすすめする。
硬化後は結構堅くはなるが、ラッカーパテほどではない。また、プラスティックへの食い込みも強くはない。
ラッカー系を利用するとどうしても肉やせするので、造形にはどうしても向けられないという欠点が克服されており、「流動性の高い造形用」としての利用も可能。
お湯丸による造形コピー」の項目でも、主にこのパテを利用した。
肉やせがないのは魅力的で、もっと使いたいと思うのだが利用する分だけちょこちょこと混合するのは正直面倒に感じることが多い。地面のテクスチャ作成など広範囲に使うのには大変向いていると思う。
匂いはややあるが、さほどきつい匂いではない。

光硬化パテ
タミヤの光硬化パテで一躍有名に。

実は使ったことがないので、詳細レビューは控えたいが、光を当てることで1~2分で硬化するパテ。
速硬化で、混合の必要もないのは大変魅力的。また肉やせもほとんど無いらしい。硬化後は普通のパテ同様、ヤスリで削ったり塗装もできる。

欠点は、価格が高いこと。また、光で硬化する前提上、盛る量を2mm程度に抑えないと、硬化が悪くなる厚みを出したい場合は、この作業を繰り返すことになる。

早く硬化するのは確かに魅力的だが、上記の特性から、造形には向かない。インジェクションのピン跡の整形や、接着後の溝埋めなどには役だってくれそうだが、さすがにそうパテばっかり買ってもいられないので保留中。他のパテ同様、万能ではないが速硬性は魅力的だ。


と、今回はここまで、エポキシパテまでたどり着きませんでした。
初心者の方には「パテ使ったことない」という人もいるかも知れませんが、

  1. 接着
  2. パテを使用して接着跡の修正
  3. 塗装

という作業で見違えるほどリアルになりますよ。挑戦してみてくださいね。


[パテ] ブログ村キーワード

 関連ブログお探しの方はこちらからどうぞ。

にほんブログ村 コレクションブログ プラモデルへ にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へ

0 件のコメント:

コメントを投稿