すでに恒例になっているほどのことだが、またしても塗装に失敗した。
タミヤアクリルカラーを、溶剤で薄めたり、水で薄めたり、いろいろな手法を試しながら塗っているのだが、今回のバッグ、スペアタイヤもタミヤアクリルの水溶き法で塗装した。
タミヤアクリルカラーを水溶きすると、かなり塗りやすくなるのだが、同時にかなりマットに仕上がる。そしてこのマットな塗膜は強くなく、触ると表面がつぶれて傷が付いたり、少しずつグロスに変わっていく傾向がある。
フィギュアの細部塗りには向くが、車のボディーなど広範囲な部分を塗る場合は、塗膜の強度を考えて溶剤で薄めた方が良いように思う。
バッグはかなり良い感じに塗り上がったのだが、どうもツヤの無さが気に入らない。現代米軍のバッグはコーデュラのようなナイロン製に決まっている。
塗り上がったバッグはマットすぎてコットン製品に見える。
「そうだ、デカール保護用に買った「つや消しスプレー(アクリル系)」がある。アクリル塗装の塗膜保護をかねて上に、こいつをスプレーしたら良い具合にツヤが出てナイロン感が出るのでは?」
とスプレーするが、これが大失敗。テッカテカになってしまった。なんと中途半端なつや消しスプレー。嫌な気分になったが、塗膜の保護は出来たわけで、後は何とかこのツヤを落としていきたい。
そこで今度はエナメルカラーのクリアにフラットベース入れて塗ってみた。
が、これまた失敗。フラットベースの量が多すぎたようで、全体が白浮きしてしまったのだ。
下地は全てアクリルカラーなので、エナメル溶剤の影響は受けないので、結局エナメル溶剤を使って最後の作業を剥がすことになった。
まあ、結果的に程よいフラット感のバッグにはなったが、個人的にはちょっと不満も残る。
そもそも、「ツヤあり以下「グロス」」、「つや消し(以下「マット」)」とは何なのか?っていう話をしてみたいと思う。
例えばタミヤを例に取ると、「レッド(グロス)」と「フラットレッド(マット)」がある。色的には同じ「赤」だ。
普通の模型用塗料は凝固させる成分が多く基本が「グロス」になるが、顔料成分の多いアクリルガッシュや、水彩絵の具、ポスターカラーなどは基本がマットで、グロスにするためにはグロス剤を加えることになる。
古ーい車のボディーを見ると解るのだが、新車の時はピカピカのグロスでも、何十年も経って塗装表面が荒れてくると、マットになる。
塗装もこれと同じ事が言える。
タミヤカラーではグロスの塗料に「フラットベース」を加えると何でもマットになるわけだが、このフラットベースの仕事は、「表面をザラザラに仕上げて艶を消す」ということになる。
しかし、塗料の表面はそれほど堅くない。フラット色を使ってマットに仕上げても、指で触っているうちに表面のザラザラが落ちてきて、だんだんグロスに傾いていく。
これはこれで面白い効果が出るのだが、意に反してこうなってしまうと非常に残念な感じになる。
マット、グロスの調整は難しく、同時にうまくコントロールすると、非常にリアルに仕上がる。
例えば、今回のハンビーのボディカラーを例に取ると、デザートイエローに塗るわけだが、この塗料はマットである。また、砂漠での活動を表現しようとすると、これまた同じ、デザートイエローで、汚し塗装をする。
全く同じ色でも、自然な汚れは完全にマットだろうし、ハンビーのボディーは、出来るだけ光を反射しないような塗料が使われるだろうが、下地が金属で、表面の平坦さの関係で、完全なマットにはなりきれないだろう。
ハンビーのボディーに塗ったマットカラーの表面を意図的に磨き出すことによりセミグロスな感じを演出することは可能だ。
同じ色でも、マット、グロスそしてそれらの中間色を上手に使いこなすことが出来れば、今までよりも1ランク上の模型塗装が出来ると私は思っている。
そういう意味では今回のバッグ、もうちょっと手を入れて、ちょうどいいグロス感を探しても良いかな?なんて思っている。
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こんばんは!
返信削除塗装されたバックかっこいいですね!
スペアタイヤのカバーの迷彩が本物みたいで塗装とは気づきません!
毎回塗装などの知識を書かれて頂きとても勉強になります
完成楽しみに待っています
1025Humveeさんコメントありがとうございます。
返信削除褒めすぎですよ!でも、当ブログでは、初心者支援もしたい!と思っているので「勉強になる。」と言ってもらえるのは嬉しいです。
超初心者向けのプラモデル作りの1.2.3.みたいな記事も書いてみたいと思っています。
が、まだ作品のない私には早いかなーとも。
早く、作品を仕上げて私自身がビギナー脱出をはかりたいと思ってます。