2012年1月18日水曜日

ACU、再、再、再考察

「ハンビーの方はどうなったんじゃい!」 と怒られそうなので、 ちょっとだけミリタリーねた。
っていうか、 「ハンビーのほうも地味ながら進んでますよ」 っていうアピール。
っていうか、 「塗装について初心者にどういう風に説明したらいいのか解らん。」 という感じの休憩も込めて、、、。 そんな記事である。

いや、 記事の中身は ちゃんとしてますよ。

ACU迷彩を塗装する
分からない人に説明すると、アフガン戦争から、現在に至るまで「米陸軍」で採用されている迷彩がACU迷彩で、おおよそ下の写真のイメージである。
現代車両、現代戦を主に扱っている、私のプラモデル/ジオラマ作成においては非常に重要な位置づけの迷彩と言える。
ちなみに「ACU」とは、「アーミー コンバット ユニフォーム」の略で、実は服の呼び名。迷彩の呼び名としては、「UCP」=「ユニバーサル カムフラージュ パターン」(広範囲な迷彩の意味で、地形によって使い分けたりせず、このパターンでいろいろな地形/環境に対応させるのが目的で採用された。)となるのが正解なのだが、一般的に「ACU」の名で通っているので、当方もこの呼び名を採用している。

で、私がフィギュアにこの迷彩を塗装するのは4体目になる。
実はこれまでの出来がどうも納得いかないため、今回は、大幅に、その手法を変えてみた。
説明する前にこれまでの失敗例を、並べてみよう(ちょっとやだ)。


 左から「単体作品」、「ハンビードライバー」、「ダン伍長」である。
私の印象では、最初の「単体」の出来映えが一番良い。
どうも、二体目、三体目、は自信が付いたためか、「ACUの細かさ」や、「本物ACUの色」という、細かい部分にのみ注目しすぎたためかえってリアリティーが失われている感じがする。

そして、今回のフィギュア。


 ちょっと写真がいまいちだが、こんな感じに仕上がっている(まだ塗り終えてはいない)。

本来は一つの作品の中で、同じ迷彩を塗りながら、手法や色味を変えていくというのは良いやり方ではないことは、私にもよく分かっているが、なにぶん今回初作品、初のACU塗装ということもあるので、どうか許して欲しい。
たぶん長い付き合いになる迷彩パターンだというのもあり、塗り手法を確立するためにいろんな方法を考えてきたのもある。

今回のACU塗装の話をする前に、ACU迷彩の難しさについて話しておきたい。
ACU迷彩は3色迷彩だが、非常に小さな四角形(ピクセル)を組み合わせた迷彩になっている。
「四角形」「小さい」というのがまず塗装に向かない。非常に細かい上に四角形は筆で書くのには適さない形だ。

しかし、何とかこの小さな四角形を表現できないか?と小さく小さく目を向けていくと、細かいだけのかすり模様のようになってしまう。

実はACU最小単位を見るとかなり細かい四角形だが、遠目に全体像を見ると「ウッドランド」、「タイガーストライプ」などとさほど変わらない大きめのブロックで構成されていることが解る。


まあ、迷彩塗装の基本と言えば基本なのだが、「迷彩を塗るときは細かい部分は気にしないで、「色の比率」、「大きなカラーブロックの形」に注目しろ!!」と、言うことになる。

今回は、まずこのブロックパターンに注目して、「縦線はほとんど無し、横線とそれを結ぶ斜め線」という法則を取り出し、細かい部分には気にしないで、塗っていった。
色の比率も重要で、一番明るい色が多すぎるとACUに見えなくなるので注意。
一番濃い色から順におおよそ、4.5:2:4位が良いのではないだろうか?

もう一つの注意点は「色」
上のパターン写真はかなり、実物の色に近くダークグレイはやや、グリーンを帯びており比較的暗い。私もACUのパンツを所有しているのだが、おおよそこれくらいのコントラストを持っている。
これまで私は、この所持パンツのパターンをサンプルにして塗ってきたのが、それが、大きな間違いだった。

本文一番上の兵士の写真をよく見て欲しい。
実際太陽の光の下に出たこの迷彩服はけっこうノッペリした印象で、さほど、強いコントラストを感じないのだ。
実はこれが、この迷彩パターンのコンセプトともなっている。ACUは一つのパターンでいろんな環境に対応することを前提として作っているため、「周りの色に合わせて溶け込む。」ことよりも、「視覚上多少の変化があったとしても、印象に残らない。つい見逃してしまう。」ことを目的としている。

そのため、実際の自然光下になると、非常にコントラストが失われる傾向にあるのだ。

今回は、この辺の反省を生かして、実物ACUを観察するのは完全に止めにして、兵士の写真をいろいろ見たり、場合によっては1/6アクションフィギュアの迷彩を参考にしたりした。

海外の著名なモデラーのACUも参考にしたが、人によっては、ほとんど白に近いグレーにしか見えない(そして、リアル)作品もあり大変ためになった。

ともかく「比率を重要視する」、「余りコントラストを上げない」ことにより、なかなか良いACU迷彩が出来上がった。
まだ完成でなく、満足できる出来映えともいかないが、おおよそ及第点をあげられるのではないだろうか?

失敗と考察を繰り返してきたが、これからACUを塗ろう!と言う人の役に立ってくれたらうれしい。
ハンビーのジオラマもゆっくりではあるが、進んでいるので、また進捗があったらお知らせしたい。


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4 件のコメント:

  1. UCPって、そういう意味だったんですか。
    勉強になります。
    丁度イラクの現用アメリカ兵を購入したので塗装の参考にさせていただきます。
    ご教授ありがとうございました。

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  2. 麦イチゴさん、コメントありがとうございます。
    「参考になった」と言われるのは嬉しいです。
    現用米兵は、ハンビーとセットされるのでしょうか?楽しみです。
    現用歩兵は、ネットショップでは完売傾向が強く売れているようですが、なかなか、完成写真がネット上で見られません。
    ぜひ、他の人の作品が見てみたいですね。

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  3. 初めまして。麦イチゴさんのリンクから来た恵六路久住(M60)です。
    昔、MW2のジオラマに挑戦しようとして、現用米兵のキットをレア物も含めてたくさん購入したのですが、ACU塗装で大失敗してしまい、結果デカールを使ったんですが、仕上がりがイマイチになってしまったことがあります。
    将来、絶対にまたリベンジをしようと思っているのですが、その時は是非とも参考にさせていただきたいです。ここまで分かりやすい塗装方法を記した記事を見たのは初めてです!
    それにしても、このフィギュア、BDUの肩のベルクロや防弾ベストの作りがやけにリアルですね。
    レジンキットですか? それとも・・・パテ改造ですか?

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  4. 恵六路久住さん、 コメントありがとうございます。
    また、 「役に立った」 と言われるのは私にとっては最高の賛辞ですね。
    参考にしてもらって、是非リベンジしてくださいね!
    迷彩デカールは、使ったことありませんが、個人的には「塗装より難しいのでは?」と思っています。迷彩パターンというのは、ご存じの通り、「パターンの向き」を守らないといけない上、縫合部分でパターンに乱れが出ないと雰囲気が出ないはずです。
    結果的に服を作るのと同じくらい、デカールを刻まないと雰囲気は出ないはず、さらにシワのある立体にソフターを付けたデカールを乗せるのは本当に大変だと思います。
    今回紹介のフィギュアは、
    ヘッド レジェンド(キット不明)
    脚部 タミヤ アメリカ現用陸軍歩兵セット
    装備品 ドラゴン トランペッター
    となっており、上半身、腕 、手を初め、ハイドレーション、ニーパッド、グレネードポーチは全てエポパテによるスクラッチとなっています。
    過去記事にそれらスクラッチについて色々と書いているので時間があったら是非見てくださいね!

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