もし、 モデルにディテールアップするのであれば、 塗装前に終わらせておくのが自然だからだ。 (場合によっては、塗装と前後しながらやったほうが、良い場合もある。)
モデルを組む際に、パーティングラインを消したり、ピン痕を修正したり、接着後の接着線を消す作業を紹介してきた。
これらも、ある意味ディテールアップに属するかも知れないが、一般的にはこれらの作業を、ディテールアップとは言わない。
パーティングライン、ピン痕というのは、模型の製造都合上に出来てしまった「模型固有のもの」であり、無論、実物にははじめっから無い。
この作業は、どちらかというと「プラモデルらしさを無くす。」という作業に属する。
これに対してディテールアップはその名の通り、「詳細の表現を上げる」ことを目的としている。
どちらかというと、「より本物に近づける。」作業と言えようか。
しかし、作業的にはさほど違いはないので、何もこんな厳密に分類する必要はないのかも知れないなー。
本稿は初心者を対象としているので、「初心者に向かってディテールアップかよ!」って思う人もいるかも知れない。
でも、私は、ちょっとでもやってみた方が良いと思う。
全てはステップ バイ ステップなのだが、自分なりのオリジナリティをこういう局面で与えるのは楽しい。
もちろん、しないなら、しないでOK。
塗装の技術や、こういったディテールアップの作業というのは、おそらく「本当の初心者」も、「すごいエキスパート」も、作業感覚はあまり変わりがないのではないかと正直思う。
「こうやったら、どうだろう?」と、試行錯誤してみるのが重要だ。
自分の出来ることには限界があり、その限界の範疇で「自分がどこまで今回のモデルにつぎ込むか?」それだけのことだ。
「今まで塗装したことがない人が、塗装に向かう。」のもしかり、「戦車のフェンダーに付いた泥汚れをこれまでより、よりリアルに表現するには?・・・」と考えるのもまたしかり。である。
それぞれの、「前作よりちょっとでも良く作りたい。」という前向きな感覚が模型作りの面白さである。
「今回は無し」というのも、もちろん「アリ」だと思う。
大きく脱線してしまった。
「ディテールアップ」というと、「テクニシャンの持つすごい技術」っていう難しそうな印象があるかも知れないが、決してそんなことはない。
やり方にルールはなく、資料写真と、手元のモデルの詳細を比較して、「こうしたらもっと実物に近づく」と感じる箇所を発見して、出来るか出来ないかを判断、実行していくだけだ。
プラモデルは、作成上の都合や、強度を確保するための都合上、細かい部分が省略されていたり、再現されていたとしても細かい部分ほど大きめに作られる傾向がある。
太く形成されているシャフトを細い金属のもの(プラでもOK)に交換したり、試行錯誤で無かったモールドを追加するのが、ディテールアップだ。
もっと簡単な方法としては、ヤスリをかけてシャフトを細くしたり、鉄板部を薄く表現するなんていう方法もある。強度面でやや問題が出るものの、これも立派なディテールアップだ。
ハンビーではドアー裏、窓ガラスの開閉機構が省略されていたので追加した。 |
プラで出来たパーツを、金属パーツに置き換えることで、スケールに見合った、薄さ、シャープさを出す昔からある技法だが、それらパーツをカット済みで提供しているのがエッチングパーツだ。
はっきり言って高額だが、エッジングパーツの機械カットによる精密さはちょっと人間業では難しいので、バッサリ切り替えるだけで、リアリティーを出せるエッチングパーツを選択するのも手だ。
ただ、ディテールアップの楽しみの一つである。新たな技法を生み出すという部分が無くなってしまい、想像力で、作り出すという面白さが無くなってしまう。
また、「エッチングパーツ」自体の組立はなかなか難しくで、慎重やらないと、高いお金を出して買ったパーツ自体のをへし折ったり、組立に失敗することもある。
欠点、リスクもあると思ってつきあった方が良いだろう。
初めのうちは、エッチングパーツの購入を考えるより、自分で出来ることを探す方が賢明だと思う。そうやって削ったりパテで盛ったり、真鍮盤/真鍮線を使ったりしているうちに、確実にスキルはアップしていく。
自分で作ったパーツの数々に満足できなくなって「よりリアルにしたい!!」っていう欲が生まれて来たときに選択するのがエッチングパーツではないか?という気がする。(高いしね!)
今回作成中のRGB500では、あまり細かい仕事はしたくない。とアナウンスしていたが、そこはさすがに、、、なので、「溶接痕表現」と、「ワイヤー類の追加」だけはやろうと思う。
「溶接痕」「ワイヤー/ケーブル」の追加は、エンジンを露出したバイクモデルにおいて、手っ取り早く「機械感」「密集感」を表現できる、良い手法だ。
今回はエポパテで表現パテをひも状にして乗せ、押しつけていく。押しつけた風合いが溶接感を自然に出してくれる。 ちなみに、溶いたラッカーパテを使用する方法もあり別場所で試した。市販の溶きパテはややゆるすぎるので、 間を措いてからモールドを作るといい。 瞬間接着剤を使うの方法もあり。 一番、自分に合う、良い方法を探そう、その過程で新たな技術が生まれるかも知れない。 |
塗装後。モールドを作成した段階では、「ちょっと、やり過ぎたな。もっと薄くすれば良かった。」と反省していたが、 塗装して、統一感が出ると心配は消え去った。 やっぱりスケールモデルは、やや大げさな方がいい。 |
最後に、結論「ディテールアップには難しさもあるが、楽しいのでやってみよう。」
ディテールアップは、「本物に近づける」と本文中書いたが、必ずしもそうでなくていいのかも知れない。ディテールアップという名目で、「製品オリジナルの仕上がり」から離れていこうするのが、ディテールアップの楽しみなのかも知れない。
組立の再「説明書通りじゃなくて良い」と書いたし、塗装でも「指示色に従う必要なし」と書くつもりだ。
自由に作り、製品とはちがうオリジナルの完成品を目指し、一品の個性を出すための方法がディテールアップなのかも知れない。
組みながら、サーフェイサーを吹きながら、塗装しながら、模型を眺め、自分の個性を表現してみてはどうだろうか?
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